「ブランド」という言葉を聞いて皆さんは何をイメージするでしょうか。高級バッグ、高級アクセサリー、高級車・・・いろいろ思い浮かべることかと思います。今回はその中でも自動車に焦点を当て、世界の自動車メーカーのブランド価値のランキングをご紹介します。

英インターブランド社はブランドの経済価値を評価!

「ブランドの価値」といわれても、なかなかピンと来ないでしょう。「ベンツのブランドはあなたにとってどのくらい価値がある?」と聞かれても、うまく答えられなかったり、人によって答えが異なったりすると思います。

そこで今回は、英インターブランド社が発表している「ブランドランキング」をもとにお話します。インターブランドは以下3つの分析をベースに、企業のブランドの経済的価値を評価・算出しています。

1.財務分析:企業が生み出す利益の将来予測を行う
2.ブランドの役割分析:利益のうちブランドの貢献分を抽出する
3.ブランド強度分析:ブランドによる利益の将来の確実性を評価する

ご覧の通り、業績との関連性の強い評価手法となっているため、インターブランドが定めるブランド価値は「企業目線・経営者目線」でのビジネス上の価値ということになります。

ちなみにインターブランドの評価手法は、ISO(国際標準化機構)によって世界で初めてブランドの経済的価値測定における世界標準として認められており、客観性の高いデータとなっています。

自動車メーカーの世界ブランドランキング!トヨタが堂々の1位

ここで、インターブランドが発表した2021年の世界ブランドランキングのうち、自動車メーカーのみを抜粋したものを紹介します。

自動車メーカーのブランドランキング1/2

自動車メーカーのブランドランキング

【出典】Interbrand「Best Global Brands(automotive sector)」

※1ドル113円で換算
※ブランド価値を評価する上で必要となる情報が不足している企業は対象外となるため、世界の自動車メーカーの全企業を反映しているわけではありません。

こちら、メルセデス・ベンツやBMWといった名だたる海外メーカーを上回って1位となったのは、なんと日本のトヨタです。世界的にもシェアの大きいトヨタですから、業績と関連付けたブランド価値が大きいというのはうなずけますね。

米国の新興電気自動車メーカーのテスラもブランド価値額でホンダに大きく差をつけ、4位につけています。また、韓国の現代自動車もアウディやフォルクスワーゲンといった伝統的な大手メーカーを上回り、6位にランクインしています。

そして、イタリアのフェラーリは12位となっています。一般的に高級車のイメージが強く、ハイブランドの代表格とされるフェラーリですが、企業目線・経営者目線に置き換えると12位になってしまうというのは、少々意外感がありますね。

テスラのブランド価値は急成長中!来年には首位!?

次に、自動車メーカー各社のブランド価値の成長率(前年比)を見てみましょう。

自動車メーカーのブランドランキング 前年比は?2/2

自動車メーカーのブランドランキング 前年比は?

【出典】Interbrand「Best Global Brands(automotive sector)」

こちら、ひと際目立っているのはやはりテスラの成長率ですね。1位のトヨタ含めて多くの企業が1ケタ%成長にとどまる中、テスラのブランド価値はわずか1年で約3倍まで大きくなっています。新興自動車メーカーであるだけに他社より成長性が高いのは自然ですが、ここまで成長率が高いのは驚きです。

来年の成長率について、仮に他社が今年と同水準の成長率となり、テスラの成長率が+100%(2倍)にまで落ちたと想定しても、来年にはテスラのブランド価値がトヨタやベンツ、BMWを抜いて世界首位になる見込みです。まさに、EV化の潮流を捉えた高成長企業といえます。

ちなみにテスラの+184%という成長率は2021年の全業種でも首位であり、またインターブランドが22年にわたって発表してきた過去のブランドランキングの中でも、前例のない高水準となりました。

また、他の企業の成長率を見てみると、英ランドローバーが横ばいだったりホンダがマイナスになっていたりと、必ずしも自動車メーカー全体が成長したというわけではないこともわかります。

まとめ

以上、インターブランド発表の2021年の世界自動車メーカーブランドランキングを見てきました。いかがだったでしょうか。

日本のトヨタのブランド価値がポルシェやフェラーリよりも高いのは面白い結果でした。また、テスラの成長率が群を抜いているというのも、世界のEV化の潮流の大きさを感じさせますね。

日々よく耳にする「ブランド」という言葉も、ユーザー目線と企業目線では意味合いが大きく異なります。自分の勤める企業の商品・サービスについてもこのように複数の視点で考えてみると、面白そうですね。

参考資料

石津 大希