早いもので、2021年ももう師走。この一年を振り返り、来年に向けた暮らしや仕事のプランを練り始めている方もいらっしゃるでしょう。

年末年始は、日頃の家計の収支、さらには長期的なマネープランを見直すよい機会ですね。ゆっくりと、貯蓄や資産形成について考える時間を持ちたいものです。

さて、「つみたてNISA」などを活用してコツコツと積立投資をする人が増えていますね。資産運用を行う目的として、多くのみなさんが想定されているのは、老後を見据えた資金づくりでしょう。

老後に必要となるお金は、健康状態や家族のライフスタイルなどの影響を受け人それぞれ。とはいえ、ひと月の年金額から生活費を差し引くことで、おおまかな金額を把握することはできそうですね。

「将来の年金受給額(※編集部注)」を把握することで、老後資金をどのくらい準備すればよいのか見当がつきやすくなります。

今回はこの「年金受給額」を深掘りしていきます。国民年金・厚生年金の標準的な月額を、世帯の受給パターンを8つに分け、それぞれでどのような差がでるのかにも着目します。

【参考記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの?

国民年金・厚生年金「みんなの月額、どのくらい?」

まず、下の図をごらんください。年金制度のしくみをイメージしていただけると思います。


日本の公的年金制度は「2階建て構造」などと呼ばれますね。下記の2つの年金制度から成り立ちます。

  • 「国民年金(基礎年金)」:日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入
  • 「厚生年金」:会社員・公務員などが、国民年金に上乗せする形で加入

国民年金保険料を20歳から60歳までの全期間(40年間)納付すると、老後に満額(※)の国民年金を受け取れます。年収や職業によって金額が変わることはありません。

※2021年度の国民年金満額は6万5075円(月額)

一方、厚生年金は現役時代に収入に応じた年金保険料を納め、それが加入期間とともに老後の年金額に反映されます。よって、高収入の人ほど、また加入期間が長いほど、老後の厚生年金額は増えることになります。

次で、国民年金(基礎年金)・厚生年金、それぞれの年金額を詳しく見ていきます。