2021年11月27日にログミーFinance主催で行われた、第27回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナー 第5部・株式会社ハピネットの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ハピネット 代表取締役社長 榎本誠一 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
タレント/ナレーター 飯村美樹 氏

本日のご説明のポイント

榎本誠一氏(以下、榎本):みなさま、こんにちは。本日はご多用の中、株式会社ハピネットのセミナーをご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。私は、株式会社ハピネット代表取締役社長の榎本誠一と申します。

私どもハピネットグループは「エンタテインメント事業を通じて人々に感動を提供し、夢のある明日をつくる」というビジョンを掲げて事業を展開しています。本日のご説明を機に、当社へのご理解を深めていただければ幸いです。

本日は、3つのポイントを中心にお話しします。1つ目は、エンタテインメント商材を取扱う商社で当社がトップクラスのシェアを誇っていることです。2つ目は、事業の柱として玩具・映像音楽・ビデオゲーム・アミューズメントの4つの事業を展開していることです。3つ目は、積極的な株主還元と株主優待を行い、個人投資家にご好評いただいていることをご説明します。

会社概要 2021年3月31日現在

榎本:会社概要をご説明します。当社は、玩具をはじめ、CD・DVD・ブルーレイといった映像音楽商品、「Nintendo Switch」「PlayStation」などのビデオゲーム商品、通称「ガチャガチャ」のカプセル玩具、カードゲームといったアミューズメント商品など、エンタテインメント商材を幅広く取扱っています。

メインは中間流通業ですが、メーカーとしても事業を行っているエンタテインメント商材の総合商社です。台東区浅草のすぐ近くにある蔵前に本社ビルがあり、グループ全体で約1,000名の社員とともに事業を展開しています。2021年3月期末時点の株主数は2万7,763名と大変多くの個人投資家に当社の株を保有していただいています。

ハピネットの歩み

榎本:ハピネットの歩みについてご説明します。もともとバンダイの社員であった創業者の河合洋がバンダイを退社した後、1969年にトウショウを設立し、個人商店としてスタートした後、関東以北を中心に事業を展開しました。

その後、バンダイの代理店で中京地区を中心に事業を展開していたセイコー、関西以西を中心に展開していた同じく代理店のダイリンの3社が1991年10月に合併しました。名称をハピネットに改め、代理店からバンダイの販社というかたちでスタートし、全国流通網ができ上がりました。

ハピネットとなった後も、より大きな成長を目指して20社を超えるM&Aを行っています。最近では、2019年11月に模型玩具卸のイリサワ、2020年10月に映画の配給・製作・宣伝などを行うファントム・フィルムがグループに入りました。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):沿革について質問があります。1991年の玩具卸3社の合併で、ある程度今の基盤を作られたと思いますが、その時のバンダイの取扱いシェアはどのくらいになっていたのでしょうか?

榎本:1991年の合併した当時のバンダイのシェアは約3割です。その後、同業他社とM&Aを繰り返して、現在はバンダイが作る玩具の約9割をハピネットが国内に流通しています。

坂本:次に、ビデオゲームの参入が1994年にありましたが、どのようなきっかけがあったのか教えてください。

榎本:現在のソニー・インタラクティブエンタテインメントが「PlayStation」を出すことがきっかけでした。当時は任天堂の「ファミコン」などがあり、玩具流通では約2割の市場シェアがありました。ソニーは、玩具流通にも「PlayStation」を流したいと考え「どこがいい?」と探していました。

当社は、バンダイとのつながりがあり、3社が合併し全国の流通網を持っていることでお声がけをいただき、「ぜひやらせてほしい」と思い、ビデオゲームに参入しました。

坂本:そのため、今でもずっと続けているということですか?

榎本:そのとおりです。

坂本:IRを行っていて、物流業界は用語が難しいところがあると思います。これからご説明を伺うにあたって理解を深めるために、「業界販社」の意味を教えてください。

榎本:1991年にバンダイの代理店であった3社が合併し、バンダイの販社として主にバンダイ商品を取扱っていました。しかし、今後当社が成長発展していくために、バンダイ商品だけでなく、タカラトミーやエポック、セガトイズ、レゴといったさまざまな玩具メーカーの商材を取扱い全国に流通しようと考え、バンダイの販社から業界の販社になろうという意味でこれを掲げたということです。

売上高・経常利益推移 シェアを拡大し、エンタテインメント総合商社へ

榎本:売上高と経常利益の推移グラフを見ると、事業領域と取扱い商材が拡大したことで、売上規模が拡大していることがわかります。

中間流通業でヒット商品があったり、なかったりすることで業績にも大変影響があります。近年では2015年にアニメの『妖怪ウォッチ』がヒットしました。また、2018年は「Nintendo Switch」がヒットして、当社もこの関連商品の流通を担ったことで、売上・利益とも伸びました。

直近では、2021年3月期に、今も続いている、アニメ『鬼滅の刃』関連商材や、コロナ禍の巣ごもり需要でビデオゲーム商材が大変好調に推移したことで、売上・利益ともに前期を大幅に上回りました。

売上・流通シェアの拡大 ~エンタテインメントNo.1総合商社へ~

榎本:2005年から2020年までの5年ごとの売上推移と各事業の流通シェアのグラフです。2005年と2020年を比較すると、売上高は約1.6倍に成長しています。M&Aや、営業努力による取扱い商材の拡大により、各事業の流通シェアも拡大していきました。

玩具事業は業界最大手ということで30パーセントのシェアを維持しています。また、映像音楽事業のパッケージ流通シェアは、2005年では5パーセントでしたが、現在は30パーセントに増加し、業界最大手です。

ビデオゲーム事業における任天堂商材の流通シェアは、2005年には取扱いがゼロでしたが、現在は約25パーセントの流通となっています。そして、アミューズメント事業のカプセル玩具「ガチャガチャ」の流通シェアは、2005年は20パーセントでしたが、現在は約60パーセントに増加し、こちらも業界最大手となっています。

事業内容(中間流通システム )

榎本:当社の事業内容、事業領域についてご説明します。当社は、中間流通業を主要事業としています。中間流通とは簡単にご説明すると、メーカーから商品を仕入れて販売店に売るという、いわゆる卸売業です。

例えば、バンダイの『仮面ライダー』の玩具を仕入れて、トイザらスやヨドバシカメラといった販売店にタイムリーにお届けするということです。

日本のエンタテインメント業界は多種多様な商品があり、メーカーや販売店も多数あります。当社のような中間流通業を活用することで、さまざまな商品が一括して届くため、流通コストを抑制し、効率化することが可能です。

また、多くの販売データや長年培ってきたノウハウによって「何が・どこで・どれくらい売れるか」がわかります。例えば、「『仮面ライダー』のベルトがトイザらスでいくつ売れるか」といった需要予測の役割も担っています。

ハピネットグループは全国約700社のメーカーから商品を仕入れ、商品を全国約1,200社の販売店に販売しています。1,200社と言いましてもコンビニエンスストアだけで5万店以上あるため、店舗数からすると相当な数になります。

このような事業展開を行っている他企業は、おそらく他にないと思います。玩具・映像音楽商品の中間流通業としては業界最大手と自負しています。

ハピネットの4つの事業

榎本:あらためて、当社の4つの事業についてご説明します。当社は、大きな柱である玩具事業、CD・DVD・ブルーレイといった映像音楽事業、「Nintendo Switch」「PlayStation」などを取扱うビデオゲーム事業、通称「ガチャガチャ」のカプセル玩具の自動販売機やカードゲーム機などを扱うアミューズメント事業を展開しています。ここから各事業についてご説明します。

玩具事業①

榎本:玩具事業は、2021年3月期の売上高は903億円で、当社売上高全体の34.8パーセントを占めており、当社の基盤事業となっています。

当社は国内の玩具中間流通最大手で、市場の約3割のシェアを獲得しています。先ほどご説明しましたが、バンダイが発売している商材に関しては約9割を日本国内で流通しているほか、業界販社を掲げるように、タカラトミーやレゴ、エポック、セガトイズといった国内外のあらゆるメーカーの商品も取扱っています。また、収益向上のために自社オリジナル玩具の企画・開発・販売も一部行っています。

玩具事業②

榎本:玩具市場規模の推移と、0歳から15歳までの人口推移のグラフをご覧ください。少子高齢化と言われて久しいですが、玩具市場の規模は大幅な縮小はしておらず、ゆるやかな増加傾向となっています。

お子さま1人に対してかける金額が増加傾向にあることや、電子部品を取扱った商品が高額になることが理由の1つです。また、子どもだけでなく、大人の購入が増えていることも理由となり、ゆるやかな増加傾向になっています。1人のお子さまのご両親、母方の祖父母、父方の祖父母というような、よく6ポケットと言われる、このあたりも影響していると推測しています。

当社も、子ども向けの玩具だけでなく、ハイターゲット向け商品の取扱いを増やすことで事業規模の拡大を図っています。その一環として、2019年11月にフィギュアやプラモデルといった模型玩具の卸売である、イリサワの株式を取得し、子会社化しています。今後も玩具業界を盛り上げるべく、中間流通業として尽力していきます。

映像音楽事業①

榎本:映像音楽事業は、2021年3月期の売上高は675億円で、当社売上高全体の26パーセントを占めています。当社はCD・DVD・ブルーレイといった映像音楽パッケージの中間流通として最大手で、市場の約3割のシェアを獲得しています。

この業界の1つの特徴として、メーカーが直接販売店に販売する、直接取引の形態が多くあります。スライドの図にあるように約60パーセントがメーカー直取引で、この部分についても当社のメリットを生かして流通を任せてもらえるよう、シェア拡大に努めていきたいと考えています。

さらに、中間流通業にとどまらず、映画やテレビアニメなど自社作品の製作も行い、メーカー業にも積極的に取り組んでいます。

映像音楽事業②

榎本:当社出資の主なヒット作品は、音楽ユニットGReeeeNの名曲誕生秘話が描かれた映画『キセキ』や人気エッセイ原作の映画『日日是好日』、アニメ作品の『劇場版SHIROBAKO』などがあります。

メーカー業強化のため、2020年10月には、映画の配給・製作・宣伝などを行うファントム・フィルムの株式を取得し、子会社化しました。2021年4月には、当社の映像メーカー部門と統合するかたちで、ハピネットファントム・スタジオをスタートしました。これにより、川上から川下まで一気通貫の事業ができるようになったと思います。

アカデミー賞を獲得した『ムーンライト』の国内での配給を行うなど、配給・宣伝に強みを持つファントム・フィルムと、邦画やアニメを中心に多くの作品を手掛けてきた当社映像メーカー部門を統合したことで、両者の強みやノウハウを生かし、今後も良質な作品をより多くの方にお届けしていきます。

ビデオゲーム事業

榎本:ビデオゲーム事業は、2021年3月期の売上高は830億円で、当社売上高全体の32パーセントを占めています。

当社は「Nintendo Switch」「PlayStation」「Xbox」シリーズなど、国内で発売されているすべての家庭用ゲーム機を取扱っている唯一の企業です。また、これらのゲーム機向けに発売されているゲームソフトも幅広く取扱っています。

加えてメーカーとして、ゲームソフトの開発や、「Nintendo Switch」向けのポーチなどゲームアクセサリの制作も手掛けており、ヒット商品の創出を目指しています。

アミューズメント事業①

榎本:アミューズメント事業についてです。2021年3月期の売上高は185億円で、当社売上高全体の7.2パーセントを占めています。

当社のアミューズメント事業では、いわゆる「ガチャガチャ」と呼ばれるカプセル玩具自動販売機や、キッズカードゲーム機の商品補充・メンテナンス・集金などのオペレーションを行っています。 カプセル玩具市場シェアの約6割を獲得しており、業界トップシェアを誇っています。

カプセル玩具自動販売機は、基本的には上下一対で設置し、その1つずつの機械を1面と呼んでいるのですが、全国で約22万面を設置・稼働しています。 近年では、設置場所として大型商業施設や駅ナカ、空港なども開拓しており、玩具事業に続いて当社グループの収益を支える事業にまで成長しました。

飯村美樹氏(以下、飯村):「ガチャガチャ」は子どものみならず、大人も楽しんでいますよね。私もよく駅の中に機械が並んでいるのを見かけると、一緒にいる友だちと2、3個回してして遊んでいます。

坂本:外国人観光客が多い場所では、これからまた楽しみですよね。

榎本:今はコロナ禍の影響がありますが、少し前まではインバウンド需要は多かったです。持って帰っても換金できない程度の少額の小銭を空港などで使い切るのに最適で、帰国時のおみやげとして人気でした。早くコロナ禍が収束して、インバウンド需要が戻ってくるとありがたいです。

飯村:小銭も使えますし、カプセル玩具は質も高いです。

坂本:追加でお金を使い込んでしまいそうです。

榎本:カプセルの中に入っている商品は、クオリティもかなり上がっています。

アミューズメント事業②

榎本:最近は、当社が運営するカプセルトイ専門店「ガシャココ」の新規出店に取り組んでいます。現在は、大型商業施設を中心に全国で30店舗を運営していますが、今後も出店を進めていく予定です。

近年のカプセル玩具はクオリティがずいぶん高くなっており、100円、300円という価格帯にとどまらず、1,000円、1,500円という高額なものも出ています。そのため、子ども向けに限らず大人向けへと、顧客層がどんどん広がっています。

「ガシャココ」では大人の需要を取り込むために、そのような商材を取り揃えて売上の拡大を図っていきます。お近くにお立ち寄りの際には、ぜひ店舗に足を運んでいただければと思います。

坂本:「ガシャココ」は御社の直営なのでしょうか? あるいはフランチャイズですか? また、「ガチャガチャ」に関しては、企画や商品の製造、補充などさまざまな工程がありますが、御社はどの部分を担っているのか教えてください。

榎本:「ガシャココ」は完全に直営で、フランチャイズはありません。ハピネットでは、全国各地に約22万面設置している機械に、商品を補充したり、入れ替えたり、あるいは機械のメンテナンスや集金などのオペレーション業務を担っています。

坂本:小売に近いイメージでしょうか?

榎本:当社は中間流通業、卸売業だとお伝えしていますが、唯一このアミューズメント事業だけは小売業に近いと思います。

ブロッコリー社との取り組みについて

榎本:ブロッコリー社との取り組みについてご説明します。当社とブロッコリー社は2015年に資本業務提携を結びました。これまでに、ゲーム商材の当社独占流通や、コンビニエンスストアでのくじ企画、オリジナル商品発売などの事業を展開しています。

ブロッコリー社は、コンテンツ開発力や、アニメ・ゲーム・カードゲーム・CDなどのあらゆる製品を展開するノウハウを持った会社です。ブロッコリー社のノウハウと、当社グループが有する商品ニーズの把握力や商品提案力、精度の高い物流システムを融合することにより、新しいコンテンツの開発や新しい客層・流通チャネルの開拓などを実現します。両社協業して推進すべく、連携を強化しています。

物流拠点

榎本:当社の物流拠点についてご説明します。全国のお客さまに迅速に商品を届けるため、当社では東西に物流センターを持っています。東日本では千葉の湾岸部に2拠点、西日本では兵庫の尼崎市に1拠点あります。

玩具はいろいろな大きさのものがあります。これらをまとめて出荷しなければならないため、梱包作業などの効率化は難しいのですが、そのようなオペレーションを確立していることも当社の1つの強みです。

坂本:先日、御社の船橋倉庫を見学したときに非常に興味深かったのが玩具の仕分けです。箱の大きさがバラバラですので、通常は人の手で仕分けなければならないところを、御社では自動化していました。これはかなりのノウハウが必要な技術で、参入障壁が非常に高いと感じています。

また、業績面について、御社の四半期業績を見ると、第3四半期はクリスマス需要があるため、売上が偏重します。他の四半期に比べて2倍とまでは言わずとも、かなり仕事量が偏っていると思うのですが、効率よく物流を行う秘訣を教えていただきたいです。

榎本:おっしゃるとおり、クリスマス・年末年始が玩具業界では最大の商戦期で、物量がかなり増える時期です。私どもは中間流通業として、メーカーから商品を購入し、迅速かつ正確にお客さまへ届けるため、創業者が物流にはかなり力を入れていました。3社が合併してハピネットになった時も、「夢改善プロジェクト」という効率のよい物流を目指す取り組みがありました。

実は、我々の倉庫に見学に来たある会社が、自動ソーター機などの効率化のための機械を真似して作ったそうなのですが、物流はうまくいかなかったようです。我々が長年培ってきた運用ノウハウがないと、いくらよい機械を設置してもなかなかうまくできないということです。このノウハウは、簡単に真似できるものではないと自負しています。

それでは、船橋の物流センターの作業自動化について、2分ほどの動画をご覧ください。

飯村:小さくて可愛らしいロボットたちが賢いことはよくわかったのですが、最初にハガキみたいなものを置いていますよね?

坂本:それをまず仕分け先に持っていくのですよね。

飯村:それによって住所が決まったら、荷物を乗せて、バーコードを読み取って仕分けるということですか?

榎本:おっしゃるとおりです。

飯村:なんてお利口なのでしょう。

坂本:すごいですよ。見学の時、本当におどろきました。

坂本:現場の方も「このロボットを導入してまだ2週間なんだよ」と言いながら、みなさまテキパキ動いていました。機械もすごいのですが、中の人も熟練です。

飯村:これだけのオペレーションが新しく入ってきても動じない現場があるというのは、やはり強いですね。

榎本:ご覧いただいたように、人の手だけでなく、最新の機械を投入して業務効率の向上を図っています。今まさにクリスマス・年末年始という最大の商戦期を控えていますが、自動化・機械化によって年々増加する出荷量に対応していきます。

2022年3月期 第2四半期 業績概況①

榎本:2022年3月期第2四半期の実績についてご説明します。11月11日に2022年3月期第2四半期の決算発表を行いました。玩具事業とアミューズメント事業が好調だったことにより、売上高・利益面ともに、前年同期を大幅に上回っています。

売上高は前期比12.4パーセント増の1,251億8,900万円、営業利益は前期比33.5パーセント増の26億円となりました。また、経常利益は前期比36.6パーセント増の27億6,300万円、四半期純利益は前期比35.5パーセント増の17億700万円となりました。

2022年3月期 第2四半期 業績概況②

榎本:4事業のセグメント別内訳についてです。売上高はビデオゲーム事業以外すべて増収となり、利益面では上半期で過去最高水準の利益を計上することができました。

坂本:売上・利益ともに玩具事業とアミューズメント事業がかなり伸びていますが、この好調の要因を教えください。

榎本:玩具事業は、バンダイスピリッツが出している「一番くじ」というコンビニエンスストア向けの玩具が好調でした。『鬼滅の刃』『呪術廻戦』などのヒット作品の「一番くじ」が特に人気で、店舗への導入率も上がってきています。

また、『ポケットモンスター』『デュエル・マスターズ』などのトレーディングカードも人気を集めています。特に『ポケットモンスター』の圧倒的な人気によって、コンビニエンスストア向けの玩具商材は好調に推移しました。

坂本:たしかに、コンビニに行くと「くじは売り切れました」と入り口に貼っていることがありますよね。

飯村:即完売ですよね。

榎本:アミューズメント事業に関しては、昨年のコロナ禍によって、我々が機械を設置していている大手商業施設などが休業したり、営業時間を短縮していました。また、「ガチャガチャ」は手で触って回すため、非接触の観点から稼働を控えていました。このようなコロナ禍での規制がかなり緩和されたことによって、アミューズメント事業の売上・利益に貢献したと思います。

ハピネットグループのESG①

榎本:当社グループのESGに関する各種取り組みについてご紹介します。当社は2010年からCSRレポートを発行し、各種取り組みを対外的に発信してきました。

環境面では、中間流通業として多くのメーカーの商品を一括して販売店に届けることで配送頻度を下げ、エネルギー消費を抑えています。そして、販売情報をメーカーと共有して無駄のない生産計画を支援することで、資源の有効活用が可能になります。これにより、在庫処分の削減にも大きく貢献しています。

ハピネットグループのESG②

榎本:社会面では、ステークホルダーのみなさまとの対話を重視し、課題解決に取り組んでいます。取引先には最適流通システム、消費者には商品やサービスを通じた満足、社員には労働安全や教育を提供しています。また、社会に対しては地域貢献、株主に対しては配当、適正な株価の維持向上、株主優待など、サステナビリティの観点からさまざまな取り組みを行っています。

ハピネットグループのESG③

榎本:ガバナンス・企業統治への取り組みとしては、仕組みやルールの整備のほか、倫理向上委員会での課題検討や、内部監査室のモニタリングが挙げられます。

ハピネットグループのESG④

榎本:ハピネットグループはSDGsに賛同しています。各ステークホルダーに対しての取り組みを真摯に継続していくことで、SDGs目標の達成にもつながっていくと考えています。

ハピネットのESGとそれぞれの取り組みについて簡単にご説明しました。詳細は、当社WebサイトからCSRサイト・CSRレポートをご覧いただければと思います。

株主還元(配当)

榎本:株主還元についてご説明します。まずは配当についてです。スライドにあるグラフは配当金額の推移です。当社は、株主に対する利益還元の姿勢をより明確にするために、2020年1月に連結配当性向を指標とする方針へ変更しました。

具体的には、安定的な配当額として1株あたり年間50円を維持するとともに、連結配当性向40パーセントを目標として株主還元を実施してきました。2022年3月期の年間配当金は、1株あたり50円と予想しています。

株主還元(株主優待)①

榎本:株主のみなさまから好評の株主優待制度についてご説明します。毎年、3月末日時点での株主に対し、優待カタログを送付し、好きな商品を選んでいただいています。

当社オリジナルの玩具、ゲームソフト、DVD、Blu-rayなどから保有株数に応じて選ぶことができ、例年20種類ほど用意しています。お子さまやお孫さまへのプレゼント用として、毎年楽しみに当社の株を保有してくださっている株主の方も大勢います。

さらに、500株以上保有している方には、保有株数に応じて「こども商品券」も贈呈しています。「こども商品券」は、昔は玩具やベビー用品、文具などに使えるものだったのですが、最近では、提携先にもよりますが飲食店やタクシーなどにも利用範囲が広がっているギフト券です。

株主還元(株主優待)②

榎本:2021年3月末時点の株主向けに実施した優待品をご紹介します。まずは玩具商品です。スライド左上にあるラジコンカーが1番人気です。

坂本:毎年、ラジコンはだいたい入っていますよね。私も10年くらい御社の株を持っていたことがあり、当初は自分が欲しいDVDか、その頃は「ニンテンドーDS」のソフトをもらっていました。子どもが大きくなってくると、自分で選ぶようになって、私の欲しいDVDまで回ってこなくなり、株を買い足しました。

榎本:玩具の中では、やはりラジコンが人気です。他にも、ブロックや電子玩具など、お子さまの年齢層に合わせて幅広く取り扱っています。

株主還元(株主優待)③

榎本:ゲームについてですが、スライド左側にある『BRIGANDINE』はハピネットオリジナルの商品です。当社が独占販売している「Nintendo Switch」用のソフトも選べます。

株主還元(株主優待)④

榎本:映像・音楽作品については、DVD・Blu-rayあわせて18種類用意しました。例えば、スライド上段の右から2番目にある『決算!忠臣蔵』は、個人的にかなり興味深く観ました。

今後も、経営環境や将来への事業投資などを総合的に考えながら、株主のみなさまへの積極的な還元策を実施していきます。以上をもちまして、私からの説明は終了します。

本日のセミナーを機に、ハピネットに少しでも興味を持っていただけますと幸いです。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:株主優待の商品の選定について

坂本:株主優待は玩具、ゲーム、DVDなどから選べますが、ラインアップは売れ筋商品から選んでいるのですか?

榎本:基本的には当社オリジナルの商材を中心に選定しています。DVD・Blu-rayについては我々が製作委員会に関わっている商材を中心にピックアップしています。

質疑応答:カプセル玩具自動販売機の海外展開について

飯村:ガチャガチャは日本のみならず海外の方にも人気とのことですが、海外の駅構内などにも置けるのでしょうか?

榎本:ガチャガチャはもともとアメリカから来たものなのですが、海外では機械ごと盗まれてしまう恐れがあるようです。

飯村:治安の問題があるのですね。

榎本:日本の治安のよさがあってこそ、事業が成り立っていると思います。

飯村:担いで持って行けそうなサイズですものね。本日は、いろいろとお話しいただき、ありがとうございました。

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