2021年11月25日に朝日放送テレビ株式会社により公表された「コロナ禍における子供の習い事」に関する調査にて、子供の習い事にかける費用が増加傾向との発表が出ていました。
コロナ禍によって外出の機会が減っていることから、何とか家族以外の人と関わる機会を作りたいというニーズがあるようです。
その習い事の一つとして「ゲーム」を習うという動きがあるので、今回は各種データを用いて、実際にそのニーズが日本においてどの程度あるのか、獲得可能な最大市場規模 (TAM)を簡易的に算定してみました。
日本での「ゲームの習い事」の市場規模を算定してみる
今回は、株式会社ゲムトレが2021年11月29日に公表したプレスリリース「世界で急成長する『ゲームの習い事』市場。ゲムトレがゲームの習い事カオスマップを作成。」で使われているデータを再検討してみます。
日本国内における、お稽古・習い事市場は約3兆円(※1)とされており、78.7%(※2)の子どもが何らかの習い事をしています。
(※1) 矢野経済研究所調べ
(※2) 学研教育総合研究所調べ
という表現が存在するので、
1)子どもにおけるお稽古事・習い事市場規模の算定
2)そのうち、ゲームやそれに類するジャンルの習い事をしている割合
を概算し、1)×2)を行うと、最大市場規模が算定できます。
まず、矢野経済研究所のプレスリリースには下記のように記載されています。
2020年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比2.7%減の2兆6997億1000万円
そして、この2.6兆円の市場規模は「主要15分野計」とされています。この15分野は
1.学習塾・予備校
2.家庭教師派遣
3.幼児向け通信教育
4.学生向け通信教育
5.社会人向け通信教育
6.幼児向け英会話教材
7.資格取得学校
8.資格・検定試験
9.語学スクール・教室
10.幼児受験教育
11.知育主体型教育
12.幼児体育指導
13.企業向け研修サービス
14.eラーニング
15.学習参考書・問題集
と、幼児向けから大人向けまで「全て」を含んだ値です。ここから、日本の子どもの人数などを利用して除算する必要があります。
総務省が2021年5月4日に公表した「我が国のこどもの数-「こどもの日」にちなんで-」によると、2021年4月現在の「総人口に占めるこどもの割合」は11.9%です。
つまり、1)の子ども向けの習い事市場規模は、上記の子供の割合を掛け合わせて、
2.6兆円×11.9%=3094億円
とするのがより正確でしょう。