残り1カ月ほどで2021年も終わり。1年を振り返り、貯蓄を増やす方法として運用に興味を持たれている方も多いでしょう。
資産形成の制度として、耳にする機会が多いのが「iDeCo」と「つみたてNISA」。興味はあるものの、いざ始めるとなると自分はどちらから始めれば良いのかは悩ましいところですよね。どちらの制度も運用益が非課税になる制度ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。きちんと特徴を踏まえた上で、自分に合ったものからはじめると良いでしょう。
今回はファイナンシャルプランナー(FP)の資格をお持ちで、マネイロで資産運用のアドバイスをしている佐藤雄基さんに、 iDeCoとつみたてNISAの特徴や向いている人についてお話を伺いました。
Q. iDeCoのメリット、デメリットを教えてください。
iDeCoのメリットは毎月の掛金が所得から控除されることと、受取時に公的年金控除や退職所得控除が使えることです。
たとえば、所得税(10%)・住民税(10%)の人がいて、その方が月々1万円を拠出した場合、全額所得控除ができる場合に、年末調整や確定申告などを経て年間で合計2.4万円の税金が手元に返ってくるという仕組みです。
受取時は年金なら公的年金控除、一時金なら退職所得控除の対象になるので、通常の金融商品よりも税額を抑えることができます。
一方で、デメリットは原則60歳まで引き出しができないことでしょう。
また、年収や既に行っている節税対策(住宅ローン減税・ふるさと納税など)の状況によっては、思ったより節税効果が少ないか、もしくは全くない可能性もあります。特に住宅ローン減税は節税効果が大きい制度なので、既に活用されている方はiDeCoを始める際に注意が必要でしょう。