頭金・金利タイプ・繰り上げ返済……慎重に検討を
これまでは、住宅ローン控除の恩恵を最大限受けるため「とりあえず変動金利で10年間は繰り上げ返済しない」という選択をされていた方も少なくなかったものと考えられます。住宅ローンを組む必要がなかった人も、期間中繰り上げ返済できる人も、そのほうが「得」だったからです。
また、株式会社リクルート住まいカンパニーによれば、住宅購入における自己資金10%未満の比率は年々増加しているとのこと。2020年には、新築戸建は「25.9%」、新築マンションは「16.0%」の契約者が頭金ゼロで購入しています。これもまた、自己資金を投入するより控除額が高くなることが要因の1つになっていたものと考えられます。
しかし、2022年度税制改正により住宅ローン控除の「逆ざや」現象解消に近づくと見られる今、「控除額ありき」ではない資金計画を立てる重要性は増すといえるでしょう。
金利変動リスクや住宅ローン残債が資産価値を上回るオーバーローンのリスクに備え、住宅購入時には頭金の額や住宅ローンの金利タイプをしっかり検討し、繰り上げ返済に充てられる資金を貯蓄しておくことが大切です。