70代世帯「貯蓄の切り崩し」は毎月どのくらい?
貯蓄の切り崩し状況を見る前に、老後のメイン収入となる年金額についても触れる必要がありますね。
厚生労働省が2020年12月に公表した「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2019年度)」によると、70代の年金支給額は以下の通りです。
厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 70~74歳:14万6421円
- 75~79歳:15万1963円
国民年金の平均年金月額
- 70~74歳:5万6697円
- 75~79歳:5万5922円
仮に、サラリーマンの夫(厚生年金)と専業主婦(国民年金)の夫婦世帯を想定すると、毎月の年金収入は約20万円です。
「老後の生活費」で貯蓄の切り崩しはどのくらい発生しそう?
生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は平均22万1000円。
収入約20万円から最低日常生活費の平均22万1000円を差引くと、約2万1000万円の赤字が出ますね。
また同調査によると、ゆとりある老後生活費は平均36万1000円。定年退職後には、自由な時間が増えると考えると旅行やレジャーのための費用も準備したいところです。
「収入約20万円」からゆとりある老後生活費36万1000円を差引くと、毎月約16万円を貯蓄から取り崩すことになります。前述した70代の貯蓄額の中央値1000万円で考えると、なんと約5年で枯渇することに。
生活費はひとそれぞれです。とはいえ、この結果を見ると不安に感じた方が多いかもしれませんね。