子ども1人につき幼稚園~大学まで、全て私立で約2530万円

子ども1人にかかる教育費についても確認します。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、幼稚園3歳~高校生までの学習費総額は以下の通り。

幼稚園3歳~高校3年生までの15年間の学習費総額 (平成30年度)

  • すべて公立:約541万円
  • 幼稚園のみ私立:約635万円
  • 幼稚園と高校のみ私立:約788万円
  • すべて私立:約1830万円

すべて公立で約541万円、すべて私立では約1830万円に。年収960万円世帯では私立のご家庭も少なくないと考えられますので、幼稚園~高校生まででも教育費の負担は大きいでしょう。

なお、2019年(令和元年)10月より「幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)」がはじまっていますので、幼稚園の負担は上記より下がると考えられます(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は月額2.57万円まで。通園送迎費、食材料費、行事費などは保護者負担)。

高校生には「高等学校等就学支援金制度」がありますが、この制度も所得制限があります。

高等学校等就学支援金制度は収入等要件に応じて、授業料にあてるため年11万8800円(月額9900円)や年39万6000円(月額3万3000円)が支給される制度。

所得制限があり、たとえば「会社員の夫と専業主婦の妻、子2人(高校生・中学生以下)」では、年収910万円以上は対象外となります。詳細は子どもの年齢などにより異なりますが、こちらも年収960万円以上の世帯は利用できない可能性が高まります。

大学費用については、2020年10月30日に発表された日本政策金融公庫の「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』」から、大学の入学費用と1年間の在学費用をみていきます。

子ども1人あたりの入学費用と1年間の在学費用

  • 入学費用:大学89万7000円(私立文系95万1000円、私立理系94万2000円、国公立大学77.0万円)
  • 1年間の在学費用:大学157.3万円(私立文系152万1000円、私立理系192万2000円、国公立大学115.0万円)

※入学費用とは、受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への入学納付金
※在学費用とは、学校教育費(授業料、通学費、その他の学校教育費)と家庭教育費(塾や通信教育など補助教育費、おけいこごとにかかる費用)など

私立文系の場合、入学費用と在学費用4年間分で約700万円がかかります。

幼稚園から高校まですべて私立で、私立文系に進んだ場合は約2530万円。

育児費用や教育費用を見てきましたが、これらは子ども1人にかかる費用です。子どもが2人以上となれば、さらにかかると考えられるでしょう。