勤務先の「健康保険・厚生年金」に加入するメリット

■■メリット1 年金額が増える■■

厚生年金に加入すると、1階部分の「基礎年金」に2階部分にあたる「報酬比例部分」が上乗せされます。

年収106万円(月収8万8000円)の場合、月額8100円の厚生年金保険料と月額4400円の健康保険料を10年間払い続けると、年額5万4700円(目安)が基礎年金に上乗せされ、終身受け取ることができます(※)。

支払った厚生年金保険料の総額は97万2000円となるので、約18年で元が取れる計算になります。

とはいえ、実際は健康保険料の4400円も加えた月額1万2500円が社会保険料としてセットで給料から引かれます(同じ年収で扶養内のままであれば、1万2500円の保険料負担はない)。よって、元を取るには27年~28年かかります。65歳から受給を開始すると92~93歳ですから、かなり長生きした場合、といえそうです。

しかしこれは会社員の扶養となっている専業主婦(主夫)と比較した場合の話であり、国民年金の加入者はどれだけ保険料を払い続けても、基礎年金部分しかもらえません。

厚生年金に加入すれば、会社と折半して負担した保険料に応じて、報酬比例部分が基礎年金に上乗せされて支給されます。

※厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」のQ&A参照

■■メリット2 障害年金・遺族年金の充実■■

「初診日が厚生年金加入中である病気やケガ」については、障害等級1・2級の場合、障害基礎年金に加え、障害厚生年金の上乗せがあります。また、障害厚生年金は、老齢厚生年金と違い、加入期間が短くても一定(300月分)の給付が確保されます。

さらに、国民年金では支給がない障害等級3級やそれより軽い一定の障害でも障害厚生年金または障害手当金(一時金)の支給を受けられます。

厚生年金に加入することで、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が受け取れます。

■■メリット3 傷病手当金・出産手当金が受け取れる■■

会社員が加入する健康保険には、傷病手当金と出産手当金の支給があります。

●傷病手当金

療養のために働くことができない場合、その休んだ日から起算して4日目以降の働くことができない期間(最長1年6カ月間)、傷病手当金として給与の2/3相当が支給されます。

●出産手当金

健康保険の被保険者が出産のために会社を休み、給料が支払われない場合に、産前42日・産後56日までの間、出産手当金として給与の3分の2相当が支給されます。