ライフスタイルが多種多様となっている一方で、「人生100年時代」の幕開けとなっている今、老後に対する不安もさまざまです。中でも、独身の方やシングル世帯のおひとりさまだと、自分ひとりで老後生活していけるだろうかと不安になることもあるでしょう。

世の中に出回っている老後のお金の情報は、夫婦で計算されているものが多く、独身の人にとっては、情報が少なくて困っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回はFPの資格を保有するファイナンシャル・アドバイザーの私から、「40~50代」のおひとりさまの貯蓄事情をながめていきます。

【関連記事】【国民年金と厚生年金】平均受給額と分布から見えることは?

40~50代、おひとりさまの貯蓄額は?

さいしょに40代と50代の貯蓄額を、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査(令和2年)」をもとにみていきましょう。

40歳代・単身世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:35.5%
  • 200万円未満:21.1%
  • 200~400万円未満:7.9%
  • 400~700万円未満:8.2%
  • 700~1000万円未満:4.3%
  • 1000~1500万円未満:5.5%
  • 1500~2000万円未満:3.6%
  • 2000~3000万円未満:2.5%
  • 3000万円以上:5.7%
  • 無回答:5.7%

平均値:666万円 中央値:40万円

50歳代・単身世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:41.0%
  • 200万円未満:15.2%
  • 200~400万円未満:6.8%
  • 400~700万円未満:8.1%
  • 700~1000万円未満:5.6%
  • 1000~1500万円未満:5.3%
  • 1500~2000万円未満:3.0%
  • 2000~3000万円未満:4.3%
  • 3000万円以上:7.6%
  • 無回答:3.0%

平均値:924万円・中央値:30万円

※平均値は一部の極端に大きい値に影響され、数値が大きくなりやすい傾向にあります。中央値のほうが、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。

40~50代とも、平均値で見るときちんと貯蓄をしているように見えます。しかし貯蓄額別で見ると、「金融資産非保有」と答えた方が約3~4割と一番大きくなっていいます。

両世代で1000万円以上の貯蓄を保有している人の割合は、約2割。20~30代のときから貯蓄をしてきたか、してこなかったかの差が、40~50代であらわれている部分がうかがえます。