ファーストリテイリング株、上昇トレンド下抜けか
ファーストリテイリング(9983)の株価が下落しています。2016年7月6日につけた25,305円を底に上昇基調に入り、2016年12月21日には44,370円を付けました。しかしその後はじり安で推移し、2017年1月24日の終値は35,350円となりました。
この株価水準は警戒に値します。2016年7月以降の上昇トレンドを下抜けてしまったからです。
ファーストリテイリングの過去1年間の株価推移
ファーストリテイリングは日経平均指数を動かす銘柄としても知られています。今後の日本の株価指数の行方も左右する可能性を秘めています。今回はそのファーストリテイリング株を、業績とテクニカル面から考えます。
第1四半期決算は回復を示した
同社の第1四半期(9-11月期)の決算が2017年1月12日に発表されました。価格を手頃にし、セール頼りから毎日お手頃価格とするいわゆるエブリデーロープライスに価格戦略を変更した結果、全体として利益は回復しました。売上収入は対前年同期比+2%増、営業利益は同+17%増になっています。
国内ユニクロは客数が回復して増益、海外ユニクロは円高を跳ね返して増益となりました。Eコマースの鈍さ、ジーユー(GU)ブランドの減益は気になりましたが、それを除けば悪くない内容と言えます。
株価は好感しなかった
しかし、株価は好反応を示しませんでした。もともと株価が高かったこともありますが、書き入れ時の12月の国内既存店売上高が対前年同月比▲5%減となったことを嫌気していると思います。
次の下値めどは30,000円
この結果、冒頭で述べたように株価が過去半年間の上昇トレンドを下抜けました。2013年以降の株価の推移を見ると、チャート面では次のサポートは、現在の水準から約5,000円低い30,000円だと思われます。
ファーストリテイリングの過去5年間の株価推移
次の材料は1月の国内ユニクロの売上高
同社の場合、秋冬の商戦が非常に重要です。12月の国内ユニクロが苦戦した以上、1月にしっかり盛り返せたのかがポイントです。2月上旬に発表される1月の国内ユニクロの売上動向が大変注目されるでしょう。
LIMO編集部