誰が一番二酸化炭素を排出しているのか

さて、先ほど見たエネルギー起源の二酸化炭素排出量を前提として、以下のような内訳となっています。

  • 民生セクター(非電力):1.1億トン
  • 産業セクター(非電力):2.8億トン
  • 運輸セクター(非電力):2.0億トン
  • 電力セクター(電力):4.4億トン

このように二酸化炭素排出量で一番大きいのは電力によるものです。もちろん、産業セクターにおいて鉄鋼や自動車、電機関連企業の削減も必要ですが、どの産業の脱炭素が必要かといえば電力セクターでしょう。

東日本大震災以降、日本では原子力発電所の稼働は基本的には停止しており、それを大体した中心は火力発電です。火力発電においては、液化天然ガスや石炭火力などが活用されましたが、それらは発電する際には二酸化炭素を排出します。

日本でも、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーのシェアも拡大してきていますが、ベース電源として活躍しているのはなんといっても火力発電です。二酸化炭素排出量を削減するとなると、この電力産業をどうするかというのが重要となってきます。

2030年には2013年比で▲46%減、2050年には排出と吸収を合わせて実質0トンとする計画です。