夫婦2人の年金だけで老後資金は足りるのか?

ここまで見てきた老齢厚生年金の受給額には、国民年金部分が含まれます。自営業の方や専業主婦(夫)が受け取るのは、国民年金のみになりますので、その平均月額も見ていきましょう。

【国民年金】平均月額

全体…5万5946円

  • 男性…5万8866円
  • 女性…5万3699円

では、この年金額で不安のない老後を送れるのか考えていきましょう。「生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度」によると、夫婦ふたりの最低日常生活費は月額で平均22万1000円、ゆとりある老後生活費は平均月額36万1000円です。

先述の男女別平均年金月額を元に、2つのパターンで計算してみます。

【夫婦共に厚生年金】

平均受給月額は合計で26万7000円です。最低限の日常生活費は足りますが、ゆとりある老後を送るには月あたり9万4000円が不足します。老後を30年とすると、ゆとりある老後への不足額は3384万円です。ただし、厚生年金を受け取る女性の半数は平均月額の約10万円未満ですので、不足額がこれ以上というケースも多いでしょう。

【夫が厚生年金、妻が国民年金】

平均受給月額は合計で21万8000円です。最低限の日常生活費までは老後30年で100万円ほど不足する計算となりますので、貯金でカバーできる金額ですね。ゆとりある老後を送るには月あたり14万3000円が不足し、老後30年では5148万円不足する計算になります。