「人生100年時代」とは喜ばしい響きですが、長生きがリスクとも考えられることが増えた昨今。
定年延長が企業に求められたり、年金受け取り開始を75歳まで遅らせて増額できるようになる(※)など、老後の収入を増やす選択肢は広がってきていますね。
とはいえ、現役世代の私たちにとって、自分たちの老後をしっかりイメージすることはなかなか難しいことです。
今回は現在のシニアが受け取っている厚生年金をいくらぐらいもらっているのか、月10万円未満のケースはどのくらいかを眺めていきます。年金を主な収入とした場合、どれくらい老後資金が不足しそうかみていきましょう。
※ 2022年4月以降、老齢年金の繰下げ受給年齢の上限が75歳にまで引き上げられます。
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老齢厚生年金「平均受給額」はいくら?
厚生年金は国民年金に上乗せして、公務員や会社員が加入する年金です。現役時代の収入と加入期間によって決まるため、受給額に差が出やすくなっています。
厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均受給額は下記の通りとなっています。
【厚生年金保険(第1号)】平均月額
全体…14万4268円
- 男性…16万4770円
- 女性…10万3159円
こちらは国民年金(老齢基礎年金)の受給額を含んでいます。
男性と女性の平均受給額には、6万円ほどの差が出ていますね。女性はライフスタイルの変化によって就業形態が左右されやすく、年金の受給額にも影響があるようです。
老齢厚生年金【男女別】受給額の分布
それでは男女別に老齢厚生年金受給額の分布を、割合と人数でみてみましょう。
【厚生年金保険(第1号)】年金月額階級別受給権者数・男性
男性:1066万6981人
~5万円未満:1.42% (15万977人)・5~10万円未満:9.16% (97万6724人)
10~15万円未満:24.5% (261万3866人)・15~20万円未満:40.97% (436万9884人)
20~25万円未満:21.08% (224万9128人)・25~30万円未満:2.71% (28万8776人)
30万円以上:0.16% (1万7626人)【厚生年金保険(第1号)】年金月額階級別受給権者数・女性
女性:531万9978人
~5万円未満:5.92% (31万5100人)・5~10万円未満:44.01% (234万1321人)
10~15万円未満:41.02% (218万2510人)・15~20万円未満:7.76% (41万2963人)
20~25万円未満:1.19% (6万3539人)・25~30万円未満:0.08% (4166人)
30万円以上:0.01% (379人)
受給権者数をみると男性が女性の約2倍となっています。こちらは現在のシニア世代の数ですので、将来的には女性の受給人数も増えていきそうですね。「月10万円未満」のケースは男性で約10%、女性は約50%です。
平均受給額も男女で大きな差がありましたが、分布も男女で大きな差が見られますね。受給月額のボリュームゾーンは男性「15~20万円未満」、女性「5~10万円未満」となりました。