空飛ぶクルマへの期待と課題
空飛ぶクルマの普及により次のような生活の変化が生じるかもしれません。
空飛ぶクルマによる生活の変化
- 空港から都市への移動時間短縮
- 交通手段が増え都市部の電車などの混雑減少
- 人手不足の物流業界の負担軽減
- 山間部など不便な場所への物の運搬の負担軽減
- 離島や過疎地から病院へ救急搬送する時間の短縮
- 災害時の救援物資配布までの時間短縮
- 新しいレジャーの増加
また、国土交通省の「国土交通白書2020」によると、空飛ぶクルマの市場規模は2040年までに160兆円になるとされており、経済発展のために役立つことも期待できそうです。これまで航空機市場で日本は存在感を示すことができませんでしたが、空飛ぶクルマの開発では日本勢に頑張って欲しいですね。
更に、空飛ぶクルマを普及させる過程では、離着陸場所の整備、管制、サービス提供など、機体開発以外の新たな仕事も生まれるため、様々な業界で新たな雇用を生み出せる可能性もあります。
一方で課題も残っています。制度面では安全性の基準、離着陸場所や空域(どの高さを飛ぶか)の調整、技術面では人を乗せて長距離飛行するための電池の進化、自動操縦の高度化などが必要となります。また、制度や技術が充実しても、どのようにビジネスにするのかを解決しないと普及は難しいでしょう。
このように課題は残っていますが、利便性や経済の面で期待が持てる分野と考えられますので、肯定的に応援していきたいですね。
参考資料
- 経済産業省(空の移動革命に向けた官民協議会)
- 経済産業省・国土交通省(2020年度実務者会合の検討状況について)
- 国土交通省(空飛ぶクルマについて)
- 令和2年版 国土交通白書
- 大阪府(「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」に対する補助金の交付を決定しました)
- 大阪市(大阪府、大阪市と株式会社SkyDriveとの「空飛ぶクルマ」の実現に向けた連携協定を締結しました)
- 株式会社SkyDrive(SkyDrive、大阪府・大阪市と「空飛ぶクルマ」実現に向けた連携協定を締結 ~次世代モビリティによる地域経済の活性化、防災機能の強化などを目指す~)
- トヨタ(トヨタ自動車、空のモビリティの実現に向けて、Joby Aviationと電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発・生産で協業)
- ホンダ(Hondaの新領域への取り組みについて)
- 株式会社エアロネクスト(2017年4月設立)
- テトラ・アビエーション株式会社(2018年1月設立)
岸本 範久