進学の選択肢が限られている
地方では小・中学校は学区の公立学校に通うのが普通で、高校受験が人生初の受験という子どもが大多数です。仮に地方移住した家庭の両親がともに大都市圏出身という場合、子どもの高校進学を考え始めると、都市部に比べ極端に進学先が少ないことに気付くはずです。
まず、トップ高校は自治体の県庁所在地にあることがほとんどです。地方といっても中心部に住んでいれば自転車での通学も可能ですが、家が郊外にある場合は1時間に1本、2本というバスに揺られて通うか、親による車での送迎しかないというケースもあります。
また、周囲に何もない場所では日が落ちた後の夜道を照らすのは街灯のみ。周りが真っ暗になり防犯上危険を伴います。しかも、平日の最終バスは夜の7時台の1本で終了という場合もあり、公共交通機関が充実している都市部とは比べものにならないほど通学の足は限定されています。
少子化が進んでいることから高校再編も行われており、高校の数も少なくなっています。そうなると、細かい偏差値刻みで進路先を選ぶことが難しく、子どもに合う学校がなかなか見つからないということも起こりえます。
地方での生活には良い面も多いですが、進学時の選択の幅が狭く、通学するのも大変で、さらに交通費がかさむという現実に直面する可能性があることを忘れてはいけないでしょう。