足元の円安・ドル高傾向は輸出関連銘柄には追い風ですが、あまりにも急速なペースで円が売られているのは少し心配です。というのも、円が売られる背景には、原油高により日本の貿易収支が悪化するとの見方があるからです。

これを「悪い円安」と指摘する声もあります。過度な円安・ドル高、原油高が続くようであれば警戒が必要です。

75日線、200日線を回復、戻し相場入りか

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は大きく下落し、75日線を割り込むと、その後も下落して10月6日には一時2万7293円まで下げました。ただし、その週末には2万8000円台を回復しました。

先週は大きな陽線で5日移動平均線を回復すると、週末には窓をあけて上昇し、75日線を一気に回復しています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は悪くありません。9月初旬に、これまで何度も上値を押さえられていた75日線を上抜けました。

ところが10月上旬に再びこの75日線を割り込んでしまい、また上値を押さえられるのではないかと心配されました。実際、先週週半ばまでは75日線が上値レジスタンスになっているような動きを見せていましたが、週末には大きな陽線となって奪回しました。

さらに注目すべきは、200日線も回復したことです。75日線、200日線が重なっていたことから、抜けるのにパワーがかかるところでしたが、これを上抜けたことで、今度は下値サポートラインに変わることが期待できます。戻し相場に入ったと見ていいのではないでしょうか。

上値メドとしては、まずは心理的節目となる3万円、さらに9月14日の高値(3万795円)あたりになります。3万円までは、6月15日の高値(2万9480円)など、やや節が多いので、多少もみ合いになるかもしれません。それでも目線を上に持っていいと思います。

9月14日の高値(3万795円)を超えると、目立った節もないことから、視界が広がり、さらに一段上のステージに上がることが期待できます。

下原 一晃