後悔その3 定年後の「働き口」を確保しておけばよかった!

老後資金が充分に貯められず、年金額も少ない場合、65歳以降も仕事を続ければ不足分を補えます。しかし、退職後に一から仕事を探すと、非常に苦労をする上に条件も悪くなってしまうでしょう。

人生100年時代となり、今後年金の受給開始年齢が65歳から70歳まで繰り下がることは充分考えられます。国も長く働くことを推奨する制度作りを行っていることから、70歳や75歳まで働くことが当たり前の世の中になっていくかもしれません。

そのような状況の中で、自分にあった条件のよい仕事に就くためには、現役時代に定年後の働き口を見つけておくのも一つの方法でしょう。現役時代のスキルと人脈は、再就職のための強力な武器になります。また、勤めている企業に継続雇用制度があれば、環境を変えずに働き続けることができます。

老齢年金の繰下げ受給も視野に

65歳以降も働くことで、公的年金に頼らず生活ができるなら、「老齢年金の繰下げ受給」を検討してみましょう。66歳以降に繰下げて受給することで年金額が増額され、その増額率が生涯にわたって続きます。現行制度の最長である70歳まで繰下げると年金額が42%増加します(※)。

※2022年4月から75歳まで繰下げられるようになり、その増額率は最大84%になります。

このように、定年後も働けば、老後資金の不足をカバーでき、年金額を増やすことができる「年金の繰下げ受給」も可能となります。そのためにも、現役時代に働き口を見つけておく、継続雇用制度を利用するなど、50代から準備をしておくとよいかもしれません。

参考資料

石倉 博子