厚生労働省の「令和元年 簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳です。約20年前の平成2年では男性は75.92歳、女性は81.90歳ですので長寿化は確実に進んでいます。

人生のまさに円熟期といえる70代以降も、ぜひ充実した毎日を過ごしたいですよね。とはいえ、生きている間にお金が足りなくなったらどうしよう……、そんな不安を覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

そこで本日は、本格的な老後がスタートする70代以降のみなさんの年金と貯蓄事情をご紹介。あわせて、老後のお金を守る工夫までお話ししていきます。

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「70代以上」は、年金をどのくらいもらっているのか

さいしょに、厚生労働省年金局の「令和元年度(2019年度)厚生年金保険・国民年金事業年報」から、70代以上の年金受給額の平均を見ていきましょう。

厚生年金保険(第1号)の平均年金月額

  • 70~74歳:14万6421円(受給権者数:389万2271人)
  • 75~79歳:15万1963円(受給権者数:303万1605人)
  • 80~84歳:16万575円(受給権者数:207万3096人)
  • 85~89歳:16万3489円(受給権者数:120万7324人)
  • 90歳以上:16万1044円(受給権者数:64万2156人)

※厚生年金保険(第1号)の年金月額は、基礎年金月額を含みます。

70代以上の厚生年金の受給額は15万円前後ですね。

国民年金(基礎年金)の平均年金月額

  • 70~74歳:5万6697円(受給権者数:837万559人)
  • 75~79歳:5万5922円(受給権者数:676万8205人)
  • 80~84歳:5万6572円(受給権者数:506万6660人)
  • 85~89歳:5万5175円(受給権者数:344万74人)
  • 90歳以上:4万9232円(受給権者数:178万32人)

70代以上の国民年金の受給額は5万円前後となっており、厚生年金と比べると9~10万円ほど金額が少ないという結果です。

夫婦ともに厚生年金を受け取る場合、二人の年金を合わせて生活できるかもしれませんが、夫婦ともに国民年金、独り身で国民年金などの場合は、年金だけを老後の収入源とすることは、かなり厳しい印象です。