また、東京大学が学部生に対して行っている「東京大学学生生活実態調査」の2018年度の結果によると、世帯年収が1050万円以上の学生の割合は39.5%。また、最も割合が大きい層は950万円以上1050万円未満の21.3%と、世間的には経済的余裕のある家庭の出身者が多いことが分かります。

その一方で、世帯年収450万円未満の学生も13.2%おり、”東大に入るには教育費にかけるお金がなければ絶対無理”というわけでもないのです。

お金はないよりあった方がいい。けれど、全てがお金で解決するほど人生は甘くない。最終的には本人の努力次第と考えるのが妥当でしょう。しかし、最終的に経済力の有無以上に子どもの人生設計に大きな影響を与えるのが親の考え方です。

経済状況以上に影響が大きい親の考え方

筆者の家は住んでいた地域の中でも貧しい家庭の部類に入りました。実際、時代が平成になっても相変わらず昭和30年代かと見まごうような貸家に住んでいました。

はっきり言って、この経済状況で大学進学を願うことは無謀なこと。それは子どもでも察しがつきました。しかし、両親、特に母親は我が子たちに高卒以上、できれば大学進学を望んでいたのです。

そのためか、小さい頃から大学に行くのは当然というような会話をしていました。「おばあちゃんからもらったお年玉は貯めておいて、大学に入ったらパソコンを買いなさい」。田舎の高卒だった母が、Windows95が登場する10年前からパソコンの重要性を感じていたことになります。