2021年9月29日、国税庁が「令和2年分 民間給与実態統計調査」を公表しました。

その結果によると、1年間を通じて勤務した民間企業の会社員の平均給与は433万円。前年に引き続き減少傾向にはあります。さらに、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」では、1世帯当たり平均所得金額は552万円、中央値は437万円。

これらのデータから、「年収400万円台」はごく平均的な世帯年収といえそうです。今回は、この「年収400万円台世帯」のお財布事情にフォーカスします。

「世帯年収400万円台」貯蓄はどのくらい?

まずは、総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、年収400万円台の勤労世帯について、貯蓄事情を整理していきます。

※四捨五入の関係で、各項目の合計と「平均貯蓄額」は一致しない場合があります。

年収400万~450万円(平均年収…423万円)

平均貯蓄額:911万円

〈貯蓄の内訳〉

金融機関…893万円

  • 通貨性預貯金:290万円
  • 定期性預貯金:286万円
  • 生命保険など:228万円
  • 有価証券:88万円

金融機関外…18万円

年収450万~500万円(平均年収…474万円)

平均貯蓄額:813万円

〈貯蓄の内訳〉

金融機関…805万円

  • 通貨性預貯金:264万円
  • 定期性預貯金:252万円
  • 生命保険など:212万円
  • 有価証券:77万円

金融機関外…8万円

「年収400万円台」世帯の貯蓄額をみると、1000万円の大台にもう少しで到達しそうです。ただし、住宅ローンや子育て費用の捻出で、常に家計が火の車……といった世帯もあるでしょう。

いずれの年収ゾーンも、貯蓄の約6割以上が「預貯金」です。

年収400万円台世帯「負債」はどのくらい?

資産を把握するうえで、貯蓄と負債(借入額)は対にして考える必要があります。そこで、年収400万円世帯の負債額についてもみていきましょう。

年収400万~450万円世帯の負債

平均負債額・・・555万円

  • うち「住宅・土地のための負債」・・・508万円

年収450万~500万円世帯の負債

平均負債額・・・601万円

  • うち「住宅・土地のための負債」・・・560万円

年収400万円台世帯の負債のほとんどが、住宅ローンなどの「住宅・土地のための負債」です。

この「住宅・土地のための負債」が負債額に占める割合は、いずれの年収ゾーンでも9割を超えていますね。

年収400万円台世帯「純貯蓄額」はどのくらい?

さきほどの「平均貯蓄額」から「平均負債額」を差し引き、「純貯蓄額」をみていきましょう。いわゆる「本当の貯蓄額」といえるものです。

年収400万~450万円世帯の純貯蓄額

911万円(貯蓄)-555万円(負債)=356万円

年収450万~500万円世帯の純貯蓄額

813万円(貯蓄)-601万円(負債)=212万円

貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額は、「年収400万~450万円世帯」の場合で356万円、「年収450万円~500万円世帯」の場合は212万円です。

貯蓄額、純貯蓄額ともに、年収400万~450万円世帯のほうが高くなっています。この点を比較する限り、「年収が多ければ貯蓄も多い」とは限らないことが推測されます。

年収400万円台世帯「家族構成」を整理

では、「年収400万円台世帯」の家族の状況についてもみていきましょう。

年収400万~450万円世帯「家族構成」

世帯主の平均年齢・・・50.6歳
世帯人数の平均・・・3.23人
・うち18歳未満の世帯人員・・・0.87人
世帯主の配偶者のうち女性の有業率・・・39.4%

年収450万~500万円世帯「家族の構成」

世帯主の平均年齢・・・50.1歳
世帯人数の平均・・・3.05人
・うち18歳未満の世帯人員・・・0.81人
世帯主の配偶者のうち女性の有業率・・・49.5%

学齢期のお子さんがいれば、教育資金の捻出が必要でしょう。住む地域によって、家賃や住宅購入費の相場は異なります。また、共働きかどうかによっても、お財布事情は大きく変わってきます。

とはいえ、「標準的な世帯」の貯蓄のすがたをながめることは、特にこれから家庭を持つ予定のみなさんなどにとっては、将来を見据えたマネープランを立てる上で参考になる部分があるかもしれません。

お金は「貯めて・育てる」

今回は、「ごく標準的な世帯年収」と考えられる、年収400万円台世帯のお財布事情を見てきました。

家族構成や年収、そしてライフスタイルは人それぞれですので、「いくら貯蓄があればよい」という答えはありません。

さて、教育費、住宅費、そして「老後資金」を、人生の三大出費といいます。

多くの勤労世帯にとっての悩みの種である「住宅ローン」や「子育て費用」は、50代を過ぎると徐々に落ち着き始めるケースが多いです。また、この2つの項目は、いつまでにどのくらい必要かが見えやすい出費といえますね。

一方、老後のお金についてはいかがでしょう。30代・40代といった若い世帯の場合「まだまだ遠い先の話」と感じてしまうのも致し方ないのかもしれません。

「人生100年時代」。「いつまで働くか」は何となくイメージできる人も多いでしょう。一方、いつまで健康体でいられるのか、いつから介護が必要となりそうか、さらにいうと「何歳まで生きるのか」は誰にも分からないことです。

備えあれば憂いなし。長寿時代に備え、健康寿命とともに資産の寿命を延ばす視点を持ちたいものですね。お持ちの資産を、預貯金・保険商品・投資信託などにバランスよく振り分け、お金を貯めて・増やすしくみを作っていくのもよいでしょう。

参考資料