財源はどうするのか
弱者にお金を配るとして、それが景気対策であるならば、財源は国債発行で賄うべきです。せっかく景気対策の支出をしても、別のところで増税をしてしまっては景気が回復しないからです。
一方で、景気対策は不要だけれども格差是正や少子化対策としてお金を配るということであれば、増税によってファイナンスすることが望ましいでしょう。
筆者は、不労所得である遺産に税を課す相続税や、東京一極集中を是正する効果が見込める固定資産税などの増税を主張していますが、その説は超少数派なので、金融所得課税なども検討しても良いのかもしれませんね。
財源というと、「子供手当を富裕層には配らないことにすると、配布総額が減るので財源の手当が少なくて済む」といった議論がなされるかもしれませんが、筆者はそれには反対です。
富裕層の人数は少ないので、それによって節約できる費用は限られている一方で、支給対象から富裕層を除くための手間がかかって配布作業が遅れたりしかねないからです。
富裕層にも子供手当等は支払った上で、累進課税の税率を引き上げるとか、金融所得課税の増税を検討するといったことの方が遥かに望ましいと思います。シンプルな制度であることは重要ですから。