おひとりさまが老後資金に備えるためには?
老後資金を用意するためには、足りない部分の年金額を増やしたり、貯蓄を用意したりする方法があります。
そもそも厚生年金は、パートの方であっても段々と適用が拡大されています。
パートの方の厚生年金の適用拡大の流れ
- 2016年10月~:従業員500人を超える規模の企業で、一定条件を満たす方
- 2017年4月~:従業員500人以下で労使合意に基づき申し出をする企業に所属し、一定の要件を満たす方
- 2022年10月~:従業員数100人超規模の企業、一定条件を満たす方
- 2024年10月~:従業員数50人超規模の企業で、一定の要件を満たす方
「子どもが小さくてパートしかできない」というシングルマザーの方もいらっしゃいますが、上記のような流れも考えて、厚生年金に加入できる会社でパートをするのも一つです。
他にも、個人年金保険やiDeco(個人型確定拠出年金)などで、私的年金を用意しておくと安心でしょう。自分で運用しながら年金を作るiDecoですが、運用益が非課税になるという国の後押しもあるので、はじめての方でも利用しやすくなています。
貯金することも大切ですが、ある程度まとまった貯金ができたら、資産運用を検討してみては。
たとえば毎月2万円を、年率5%で30年間で運用した場合、約1665万円になります。元本は720万円ですが、長期間でコツコツと運用することでこれだけ資産を増やすことができるのですね。
もちろん運用にはリスクがありますし、ご自身に合った金融商品や投資スタイルがあります。今は無料の動画やオンラインセミナーもあるので、時間のあるときに見てみるといいでしょう。資産運用のスキルを身につけておくと、定年後でも運用をしてお金を増やすことも可能なので、検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」
- 厚生労働省年金局数理課「公的年金受給者に関する分析 ー配偶者の状況と現役時代の経歴(就労状況)からみた 年金受給状況ー」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
宮野 茉莉子