女性の「未婚・離婚・死別」別、ひと月の年金受給額は?
おひとりさまとして気になる、老後資金が足りるかどうか。2019年には、年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」も話題になりましたね。これは夫婦ふたりの資産ですが、ひとりの場合でも老後資金は心配です。
老後の生活費用について考える際、まずはじめに老後資金の柱となる、公的年金の受給額をおおよそ把握しておくといいでしょう。
公的年金には「国民年金」と「厚生年金」があり、日本の年金は2階建てといわれています。
原則20歳以上の方が全員加入する国民年金とは違い、加入月数や収入に応じる厚生年金は差が出やすいと言われています。特に女性の場合、育児や介護で離職したり扶養内で働かれたりする方も少なくないため、年金受給額も人それぞれでしょう。
おひとりさまであっても、正社員でずっと働かれてきた方と、一度離職して離婚後にパートで働かれている方とでは、年金の受給額に差が出ると考えられます。
日本年金機構が老齢年金の受給者5万5000人に調査した「平成29年老齢年金受給者実態調査(特別集計)」から、女性の「配偶者なし世帯」の未婚・死別・離婚それぞれの年金受給額をみていきましょう。
女性の「未婚・死別・離婚」別、ひと月の平均受給額とその分布
未婚:平均受給額11万9000円
- 月額5万円未満:10.1%
- 月額5~7万円未満:15.7%
- 月額7~10万円未満:14.7%
- 月額10~15万円未満:32.5%
- 月額15~20万円未満:15.3%
- 月額20万円以上:11.3%
死別:平均受給額12万1000円
- 月額5万円未満:13.2%
- 月額5~7万円未満:12.1%
- 月額7~10万円未満:13.2%
- 月額10~15万円未満:27.3%
- 月額15~20万円未満:25.1%
- 月額20万円以上:8.7%
離婚:平均受給額8万3000円
- 月額5万円未満:21.0%
- 月額5~7万円未満:19.6%
- 月額7~10万円未満:30.3%
- 月額10~15万円未満:23.0%
- 月額15~20万円未満:4.1%
- 月額20万円以上:1.5%
未婚と死別の方は、ひと月の年金額は「月額10~15万円未満」がボリュームゾーン。一方で、離婚の方のボリュームゾーンは「月額7~10万円未満」です。離婚の方は老後資金の準備について、より考えておきたいですね。
月額7~10万円台前半では、年金のみで生活できない方が多いでしょう。年金から天引きされるものもありますし、賃貸にお住まいの方は家賃だけでも大きな金額です。また、老後に介護が必要となるとさらにまとまった金額がかかります。
ご自身の年金額については、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」をみてみましょう。50歳未満であれば作成時点での「これまでの加入実績に応じた年金額」が、50歳上であれば「年金見込額」が記載されています。