当面、米金利や米株の動向に振られる展開が続きそうですが、国内では緊急事態宣言の全面解除にともなう経済活動の再開や、岸田新内閣が打ち出すとみられる数十兆円規模の経済対策などへの期待もあります。
また、8日には9月の米雇用統計も発表されます。非農業部門雇用者数が前月比50万人増と予想されていることから、景気の回復感が高まる見通しです。ただし、予想を下回った場合、失望売りにつながるおそれもあります。
25日線を割り込むが、75日線付近で下げ止まる
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初は5日移動平均線に下値を支えられ底堅い動きでしたが、29日水曜日に窓をあけて下落。
30日まではまだ25日線付近でローソク足の実体が踏みとどまっていましたが、1日には25日線を割り込み大きな陰線となりました。ただ、その後は75日線付近で下げ止まっています。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。9月上旬に、これまで長期間にわたりレジスタンスラインとなっていた75日線を上抜けました。今後上昇していくためには、ここがサポートラインにならなければなりません。
その点では、今週以降この75日線を維持できるかどうかが大きなポイントになります。ちなみに、この付近は200日線にも重なります。逆に言えば、このあたりを今週以降割り込むようであれば注意が必要です。
ただ、短期的には押しているものの、2月上旬から長く続いた下降トレンドラインは上抜けており、チャネルの上限までも距離があります。
また、長期のチャートも依然として上昇トレンドの形になっていることから、これから若干の調整があったとしても押し目買いの好機と考えたいところです。
その場合の上値メドは、心理的節目となる3万円、9月14日の高値(3万795円)あたりになるでしょう。その前にまずは今週、25日線(2万9500円付近)を回復できるかどうかが注目されます。
下原 一晃