厚生年金の受給者「でも」老後資金の準備はしっかりと
ここまで、厚生年金の受給格差、厚生年金の受給額を決める現役世代の給与額の格差について検証してきました。
厚生年金だけでは物足りなさを感じる方が多数派でしょう。リタイヤ後の暮らしに向けて、何かしらの準備をしておきたいですね。
では足らない資金をどのように準備していくか。そのポイントは、次の3つです。
- 「世界株式」に目を向ける
- 「長期積立」でコツコツ運用を
- 「投資と保障のバランス」を意識する
1「世界株式」に目を向ける
まず、大きな資産を作っていく際には、成長する資産に着目することが大切です。経済成長が見込める先に投資している金融商品(=成長資産)を選びましょう。
その好例である、世界株式のような「伸びしろがある」資産で、仮に年率6%で運用ができた場合、12年間で資産は倍に増えます。
今後も成長することが見込める世界経済に、長期的な視点を目を向けていかれるとよいでしょう。
2「長期積立」でコツコツ運用を
さらに大切にしたいのが、長期で積立投資を続け、コツコツ運用していくという手法です。
金融商品は日々値動きがありますので、一括で大きな金額分を買うと、値下がりした場合に大きく損が出る可能性も。
一方、定期的に積立投資を行う場合は「価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く」買い付けます。同じ金額分を長期で積立てていくことで値動きの影響を受けにくくなり、運用益の安定につながります。
3「投資と保障のバランス」を意識する
最後に、長期間積立投資を続けていくには、「健康で働き続け、収入がある」ことが前提となります。
無収入になったり、大幅に給与が下がったような場合は、資産運用そのものを続けることが難しくなる可能性も。
失業や長期入院といった不可抗力は、いつ私たちの暮らしを襲うか分かりません。長期で積立投資をしていく際のリスクは、ぜひ保障でカバーしておきたいものです。
自分に合った「お金の育て方」を見つけるために
セカンドライフの安心を送るためには、早いうちからの対策がカギを握ります。インターネットを活用し、情報収集を進めていかれることをお勧めします。
最適な資産運用のスタイルや金融商品は、人それぞれ違います。投資のメリット・リスク双方を理解したうえで、自分に合った「お金の育て方」を見つけていきたいものですね。
参考資料
- 厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」
- 国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―」
- 熊谷良子(LIMO)「厚生年金「月額平均14.4万円」も、ここまで差がある受給額」
宮内 勇資