2019年に注目を浴びた「老後2000万円問題」。年金だけでは2000万円が不足する、という内容が、まだ記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。

さて、老後のお金に関連して、最近新たな問題が浮上しました。

2021年9月10日、田村憲久厚生労働大臣が年金制度改革に着手する意向を発表。その中で厚生年金から国民年金へ資金を移すことが検討されていると発言し、波紋を呼んでいます。

年金にまつわるもろもろの報道に、不安を感じざるを得ない方も多いでしょう。では、今のシニア世代の受給額事情をみなさんご存じでしょうか。

今回は、何かと話題の厚生年金にフォーカスし、現在のシニア世代がどのくらい受給できているかを眺めていきます。

また、厚生年金の受給額を決める「現役世代の給与額」についても検証していきますので、老後に不安を感じる現役世代のみなさんは必見です!

年金制度のキホン

まずは、公的年金の基本をおさらいしていきましょう。

「日本の年金制度は2階建て」などと呼ばれますね。加入対象は以下の通りです。

1階部分「国民年金」:日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
2階部分「厚生年金」:公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入

国民年金だけに加入していた方は、「老齢基礎年金」を受け取ります。厚生年金に加入していた方は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2階建ての受給となります。