「無能な人が切れるほうが、もっと優秀な人が雇える」
今回の発言は、SNSやテレビでも多くの賛成・反対の意見が飛び交いました。最も過激とも思われる発言を一つ紹介します。
実業家で「2ちゃんねる」開設者のひろゆき氏のテレビ番組のコメントから。「社会保障を用意したうえで、辞めても暮らせるよと、無能な人が切れるようにしたほうが、企業はもっと優秀な人を雇える。社会保障とセットでやるのはありなんじゃないか」。
多分、これはBI(ベーシックインカム)等を意識した発言とも思われますが、社会保障にも問題があるという考え方は、新浪氏とも共通しているようです。
前提として、ひろゆき氏は「45歳定年制に反対してる人って、無能だけど会社にしがみつきたい人だと思うんですよね」ともコメントしています。
個人的には、この“無能"という言葉がかなり曲者だと思っています。極端な例では、これだけ技術の進歩が早く、産業構造もめまぐるしく変化する現在は、優秀だった人が5年後には“無能"になることもあり得ると考えています。
だからこそ、リスキリング(学び直し)やリカレント教育(生涯を通して勤労と学びを交互に行う)というキーワードが注目を集め、それらの制度の社会実装が議論されている面もあります。
いずれにしろ、日本の安定した雇用、言い換えれば雇用硬直性が、いまの時代の現実には対応しきれない面は少なからずあると思います。