徹底的な少量生産に特徴あり。業績は?

ではこの「300台/年」という生産台数は他メーカーと比べるとどれ位の規模でしょうか。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の「新車・年別販売台数(登録車)メーカー別販売台数輸入車合計」のデータと比較してみます。

輸入車全体で、2021年8月の販売数は「2万3913台」でした。輸入車も都市部の特定のエリアでは非常に多く走っていますが、日本全体で見ると「たまに見る」くらいです。「300台/年」の生産数はその輸入車よりも圧倒的に少なく、ミツオカの車は「知る人ぞ知る」存在と言えます。

実際、ミツオカの生産方式は公式サイトでも「1日1台しか作れない」と明言しています。それは、全工程を「職人による手作業で仕上げる」昔ながらの方法で仕上げているためです。

現代の自動車生産はフォード式に始まり、トヨタ式に続いていく「大量生産」が基本です。ミツオカではその流れに逆らい、グランドピアノの組み立てのように、たくさんの人の手をかけて丁寧に作られています。

では、このような生産体制を敷くミツオカの業績はどれくらいの規模でしょうか。
公式サイトによると、2020年12月末におけるミツオカの国内グループ売上は「278億円」でした。

通常、これらの売上数字は「年額」を示すので、月に直す(12で割る)と、23億円/月の売上があります。

「利益額」が開示されていないので、実際の利益率まではわからない状態ですが、それなりの規模のビジネスを展開していることが伺えます。