みなさんの中には「公務員を目指している/目指していた」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
「地域社会に貢献できる」という責任ある仕事内容や、「給与が安定している」「リストラがない」などの雇用環境に、魅力を感じる方も少なくないように思います。
そこで今回は、公務員のなかでも「地方公務員」を切り口にしながら、退職金の実態と老後の備えについてお伝えしていきたいと思います。
地方公務員の職種別の退職金
それでは、総務省の「令和2年地方公務員給与の実態」から、地方公務員の退職金を見ていきましょう。職種別の「一般職員の勤続25年以上の定年又は応募認定退職者1人当たりの平均退職手当額」は、以下の通りです。
令和2年度(60歳定年退職者)
- 全地方公共団体:2130万9000円
- 都道府県:2179万8000円
- 市:2119万5000円
- 指定都市:2111万1000円
- 町村:2025万2000円
地方公務員では、職種にかかわらず、退職金は2000万円超であることがわかります。職種別に見ると、退職金が高い順から、都道府県、市、指定都市、町村、という結果です。
民間企業の退職金はどれくらい?公務員との差は
続いて、民間企業の退職金を確認してみましょう。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態」から比較していきます。
【会社員】退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1983万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1618万円
- 高校卒(現業職):1159万円
「大学・大学院卒」では、おおむね2000万円の退職金となっており、公務員との大きな差はないようです。
ただ民間企業は、福利厚生が充実している企業から、かたや「退職金制度」自体がない会社まで、企業によってさまざまです。公務員に比べて、民間企業の退職金は振れ幅が大きいことを考慮しておくべきでしょう。