天引き後の手元に残る金額は?

では、手元に残る金額はどのくらいになるのでしょうか。それぞれ見ていきます。

<介護保険料や国民健康保険料・後期高齢者医療保険の平均年額>

  • 介護保険料:7万428円/年(5869円/月)

※金融広報中央委員会「介護保険制度のしくみ(第1号被保険者の介護保険料)」

  • 国民健康保険料:8万8000円 /年

※厚生労働省「我が国の医療保険について(平成30年度)」

  • 後期高齢者医療保険料:7万1000円/年

※厚生労働省「我が国の医療保険について(平成30年度)」

<住民税の計算式>

住民税:所得割(課税所得×10%-税額控除)+均等割
※均等割は定額課税です。東京都主税局の場合、個人都民税の税額は1500円、個人区市町村民税の税額は3500円。

上記天引き以外に、さらに所得税もかかります。

<所得税の計算>

所得税=(年金額-社会保険料控除、基礎控除や配偶者・扶養等の各種控除)×5.105%
※5.105%=所得税5%×復興所得税率1.021%

以上を踏まえると、一般的に受給額の8~9割が手元に残る金額といわれています。

たとえば厚生年金男女平均月額14万4268円を参照にすると、厚生年金年額は年間約170万円となりますが、手取りでは136~153万円の間となります。

年金以外の老後対策も考えよう

個人差がありますが、天引きの対象になる場合、年金の額面と手取りでは、約1~2割の差があることがわかりました。

生活水準を額面基準で考えてしまうと、毎年20~30万円の不足が発生しますので注意しましょう。65歳からの老後を30年とすれば、600~1200万円と大きな金額に積み上がります。

また、年金額を見ても、天引き後の金額を見ても、「年金のみでは老後資金が足りない」と思われた方も多いでしょう。思い立ったが吉日とはいいますが、気付いた今からできる老後資金の対策を考えてもいいかもしれませんね。

参考資料