みなさんは「老老格差」という言葉をご存じですか?

老老格差とは、高齢者の間にある貧富の世代内格差のことを表した言葉です。世代間をまたぐ問題にもなっている老老格差は、社会保障上の問題を引き起こしかねないと懸念されています。

格差の要因のひとつと言われているのが、年金額の差。つまり、現役時代の雇用形態や給与額が老後に大きく関わるということです。

年金が少なければ、老後資金を十分に準備しなくてはいけません。実際のところ、今の70代はどのくらい貯蓄があるのか目安として知りたいところですね。

そこで本日は、FPの資格をもちながらファイナンシャルアドバイザーをしている私から70代以上世帯の貯蓄状況についてお話ししていきたいと思います。

70代以降「みんなの貯金額」がいくら?

さっそく、70歳以上世帯の貯蓄額を、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」をもとに見ていきましょう。

70歳以上・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産保有世帯)

100万円未満:5.3%・100~200万円未満:5.1%・200~300万円未満:3.2%・300~400万円未満:3.7%
400~500万円未満:3.2%・500~700万円未満:8.0%・700~1000万円未満:7.7%・1000~1500万円未満:14.6%・1500~2000万円未満:9.8%・2000~3000万円未満:12.8%・3000万円以上:23.4%・無回答:3.2%

平均値は一部の極端に大きい値に影響され、数値が大きくなりやすい傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたときの全体の真ん中にくる値。中央値のほうが、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。

よって、ここでは平均の2208万円より、中央値の1394万円がより実態に近いでしょう。70代以上の方の中央値は1000万円以上と、決して少なくはない印象です。