貯蓄格差を埋めるために、今からできることは?

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、2022年4月から公的年金の繰下げ受給年齢の上限が75歳までに引き上げられます。通常、年金は65歳から受給しますが、65歳より後ろ倒しにして遅らせた月数に応じて受給額が増える制度が「繰下げ受給」。これにより、75歳0ヶ月まで繰り下げると年金額が84.0%の増額となります。増額率は一生変わりません。

人生100年時代のいま、繰下げ受給を検討される方も増える可能性もありますね。

そもそもこの制度の変更は、公的年金受給開始年齢の引き上げへの布石では、とも噂されています。年金受給額についても、今後減る可能性があると言われています。公的年金に頼らず、「自助努力」で老後に備える時代はもうやって来ていると言えるかもしれません。

そこで皆さんに検討して頂きたいのが、「お金にも働いてもらう」こと、つまり資産運用です。

資産運用というと、大きなお金を投資し、短期的に売買して利益を得る印象をお持ちの方も多いのでは。実はこの方法はリスクも大きいため、特に大切な老後資金の形成手法としては積極的におすすめしません。

特に次の2点を意識してください。

① 「長期&積立」投資を行う

資産運用は短期ではなく、長期スパンで考えましょう。長期的に積み立てて投資することで、複利のメリットを最大限に活かして、雪だるま式に資産を増やすことも可能です。

毎月決まった金額を買い付ける「積立投資」なら、買付けのタイミングが分散できます。資産運用はどうしてもリスクを不安に感じますが、長期的に積み立てを行うことでリスクを抑え、より安定感が増した効果が期待できるでしょう。

時間が経過するほど、その「増え方」も加速するもの。できれば早い年齢から始め、20~30年先を見据えた目線を持ちながら運用をしたいところです。

②リスクに備えた「保障」を考える

老後資金は基本的に20~30年といった長期間運用をおすすめしますが、長い人生においては、病気やケガ、失業といったまさかのアクシデントで収入が激減する可能性は誰しもあります。この場合、途中で資産運用を続けることができなくなることも考えられます。

働けなくなった場合を想定して、収入を保障したり医療費に備えたりする保険などを検討し、最低限の保障を準備しておくと安心でしょう。