日本銀行が2021年9月17日に発表した4-6月期の資金循環統計で家計が保有する金融資産残高が1992兆円(2021年6月末時点)と過去最高を更新しました。前年に比べると、6.3%の増加です。

内訳を見ると、「現金・預金」は1072兆円で前年比4.0%増、「株式等」は前年比30.0%増の210兆円、「投資信託」は28.7%増の89兆円。現金や預金だけでなく、株式や投資信託といった運用の伸び率も大きく見られます。

コロナ禍においては、この発表を受けて実感のない方、格差の広がりを感じる方などさまざまでしょう。今回は同統計による家計の金融資産残高について、2019年から2021年4-6月期までの変化をながめていきましょう。

家計の金融資産残高、これまでの推移は?

まずは家計の金融資産残高について、2019年1-12月期と2020年から四半期ごとの推移を見ていきます。

家計の金融資産残高の推移

  • 2019年(1-12月):1890兆円
  • 2020年(1-3月):1817兆円
  • 2020年(4-6月):1873兆円
  • 2020年(7-9月):1892兆円
  • 2020年(10-12月):1936兆円
  • 2021年(1-3月):1968兆円
  • 2021年(4-6月):1992兆円

2019年には1890兆円だった家計の金融資産残高は、2020年1-3月期に1817兆円まで下がりました。

国立感染症研究所によると、新型コロナウイルス感染症は2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目の感染者が報告され、日本では2020年1月15日に最初の感染者を確認。当時、1回目の緊急事態宣言は2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に、4月16日に全国を対象に発令されています。

2020年7-9月期には1890兆円台に戻り、2020年10-12月期より1900兆円を超え、最新の2021年4-6月期には2000兆円に迫る勢いです。

家計の金融資産残高の前年比の推移

  • 2019年(1-12月):2.8%
  • 2020年(1-3月):-1.6%
  • 2020年(4-6月):1.1%
  • 2020年(7-9月):2.0%
  • 2020年(10-12月):2.5%
  • 2021年(1-3月):8.3%
  • 2021年(4-6月):6.3%

前年比で比較してみても、やはり2020年1-3月期にはマイナスに転じていますが、それ以降はプラスに。特に2021年1-3月期に8.3%、2021年4-6月期6.3%と増加率が大きいです。