ゆとりある老後を目指すための必要額は?

国民年金と厚生年金の現在の受給額を見てきましたが、田村厚労大臣の発言を見ていても、年金額は今後減る可能性があります。

そこで確認しておきたいのが、実際に老後の生活費です。

「生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度」によると、夫婦ふたりの最低日常生活費は月額で平均22.1万円。ゆとりある老後生活費は平均月額36.1万円と試算されています。

「老後は質素に暮らそう」とお考えの方もいらっしゃるでしょうが、このゆとりは「旅行やレジャー、趣味や教養、身内とのつきあい、耐久消費財の買い替え」などをさします。

さらに、現段階の年金の平均額から、「会社員の夫と扶養内パートの妻」の場合、ゆとりある老後資金にいくら必要かを計算します。

ゆとりある生活に必要な老後資金例

ゆとりある老後生活費:36万1000円(月額)

  • 夫(厚生年金受給者):16万4770円(厚生年金男子平均月額)
  • 妻(国民年金受給者):5万3699円(国民年金女子平均月額)

老後生活期間:30年(65歳~95歳)と仮定

{(16万4770円+5万3699円)-36万1000円}×12ヶ月×30年
=▲5130万円

夫婦ふたりでゆとりある老後を送るには、年金のほかに5000万円以上の資金準備が別途必要となりました。

5000万円以上と聞いて、驚かれた方も多いでしょう。もちろん人によって「ゆとり」の水準は異なります。ただ今後は年金額が減ることも考えると、やはりまとまった老後資金の準備は必要でしょう。