老後に年金を月15万円もらうには、現役時代にどれくらい年収が必要?

日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」という資料には下記のように記されています。

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額):6万5075円
  • 厚生年金(夫婦二人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):22万496円

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

「平均的な収入=会社員の夫と専業主婦の妻という夫婦が受け取った収入」というようにイメージしていただくと良いでしょう。

夫婦合わせた年金額22万496円から妻の国民年金6万5075円を引くと、夫の厚生年金(国民年金部分を含む)は15万5421円という計算になりますので、「老後に月15万の厚生年金を受け取るためには、現役期間中の平均標準報酬月額43.9万円で40年働く必要がある」とも言い換えられます。

平均標準報酬月額43.9万円なので、ざっくりと12倍して年収換算すると520万円ほどです。現役中に支払う厚生年金保険料の自己負担分は、「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和3年度版)」を基準にすると、毎月約4万円程度と考えられます。

つまり、年金を月15万受け取るには、現役時代に「年収500万円以上」が必要になるということです。

国税庁・長官官房企画課「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は436万円ですので、新入社員時代からこの水準の年収が40年続く方は少数派でしょう。