娯楽番組等は分社化して民営化

しかし、NHKは娯楽番組も多数放送しています。そうしたものは税金で放送する必要はありませんから、娯楽放送部分を分社化して民営化すれば良いでしょう。

もちろん、区別が難しい番組もあります。美しい風景や芸術品を紹介する番組は、娯楽番組でもありますが、日本のすばらしさを紹介する番組でもあり、国立の美術館や博物館と同じ扱いで国営放送でも良いような気もします。そのあたりは筆者の知見が乏しいので、専門家たちに慎重に検討してほしいと述べるだけにしておきましょう。

分割民営化に対しては、反対論もあるでしょう。それは、娯楽番組を見る人が激減するだろうということです。受信料が強制徴収なら見るけれども、任意ならたとえ100円であっても払わないし見ない、という人も多いでしょう。

受信料が100円ならば見るけれども200円なら見ないという人は、受信料が200円なら見ないでしょう。そうなると、見る人が減るのでコストを賄うために受信料が300円に値上げされるでしょう。・・・という具合に見る人が激減してしまうかもしれないのです。

そうなると、NHKの規模を縮小して従業員を大リストラすることにもなりかねません。それが市場原理だと言い切ってしまえるならば話は簡単なのですが・・・。というわけで、当初は民営化会社に税金で多額の補助金を払ってある程度の規模を維持し、時間をかけて少しずつ規模を縮小していくといった工夫は必要でしょうね。

本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

<<筆者のこれまでの記事リスト>>

塚崎 公義