つみたてNISAは「長く続けること」が前提

つみたてNISAは長期間積み立てることでメリットを得られる投資スタイル。そのため短期間で売買するとメリットを損なうことになります。

もともと長期投資に向いた投資信託が選ばれていることから、長期間の投資は複利効果がアップし、そこで得た利益に対して非課税となることで利益は最大化します。

また、投資期間が長いと、価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できるといわれています。そのため、特別な事情がなければ、非課税期間が終わるまでは売らずに投資を続けるのがベストでしょう。

つみたてNISAは運用利益が非課税になることが最大のメリットといえるでしょう。年間40万円、最長20年間で得られる非課税投資枠は800万円。通常の課税口座で運用した場合、運用利益に20.315%の税金(復興特別所得税含む)がかかります。

たとえば通常の課税口座で800万円の元本が1000万円になったら、200万円の利益に対して40万6300円の税金が引かれて、利益は159万3700円に目減りするわけですね。これをつみたてNISAで運用していれば、200万円の利益をそのまま受け取ることができるのです。

そこで気になるのが、この非課税期間の終了後はどうなるの?という点でしょう。詳しく解説していきます。

非課税期間が終わったあとはどうなるの?

非課税期間が終了しても売却せずに保有すると、その時点の評価額で課税口座に移されます。この時の時価が新たな取得価額となります。

たとえば40万円が20年後に80万円になっていた場合、そのまま売らずにいると課税口座に移されて、80万円が取得価額となります。この後に10万円増えて90万円になると約2万円課税されますが、40万円が80万円になった利益には課税されていないので、非課税期間終了前に売った場合と変わりはありません。

「含み損が出ていた場合」は要注意!

問題は含み損が出ていた場合です。たとえば40万円が20年後に30万円になっていた場合、そのまま売らずにいると課税口座に移されて、30万円が取得価額となります。その後に10万円増えて40万円になった場合、「本来であればプラスマイナスゼロで税金はかからない……」といいたいところですが、取得価額が30万円になってしまったことで、10万円の利益となり約2万円課税されてしまいます。

含み損がある場合は、非課税期間中に売却して、その資金を使って新たな非課税枠で投資をするなど、持ち越さないほうがよいでしょう。