助成制度の対象から外れる「誤算」も
とはいえ、収入が上がっても無計画にお金を使っていると、「こんなはずではなかった」という誤算につながりかねません。家計に余裕がなくなり貯蓄が増えにくくなると、病気や事故、失業などのアクシデントに対処するのが難しくなります。
いまの高収入がこの先も続くとは限らない時代です。そもそも、いったん慣れた生活レベルを下げることは簡単ではありませんし、ストレスフルな努力を強いられます。
さらにいうと、食費やレジャー費であれば家計の見直しでどうにかなりそうですが、学費はそうはいかないでしょう。「せっかく入学した私立の学校に子どもを通わせることができなくなった」というような事態はできるだけ避けたいところです。
国や自治体からの支援制度が利用できなくなることは、高収入世帯の誤算の一つといえるでしょう。支援が減った分、家計からの持ち出しが増えます。
「児童手当」「高等学校等就学支援金制度」「給与所得控除」などについても注意しておきたいところです。
「お金を使う優先順位」をつけて、家族の暮らしを守る!
収入が上がったときこそ、家計の収支をしっかり見直す必要がありそうです。受けられるはずの支援が受けられなくなることなども考慮に入れながら、「お金を使う優先順位」をつけて、メリハリある家計を目指しましょう。
食費やレジャー費などは、教育費と比較するとコントロールしやすい項目といえそうです。どんぶり勘定でなんとなくお金を使っている場合は、ぜひ家計簿を活用して日頃の支出をチェックすることから始めてみるとよいかもしれません。
また、病気などで就業ができなくなった事態に備えた保障も考えておくとよいでしょう。お持ちの資産を、預貯金だけではなく、保険や資産運用にバランス良く振り分けながら、家族のお金と暮らしを守っていきたいですね。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。