ライフスタイルが多種多様となっている今日。
国立社会保障・人口問題研究所が公表する「人口統計資料集(2021年)」によると、2015年の「50歳時の未婚率」は男性が23.37%、女性は14.06%となっています。今から約50年前の1970年には男性1.70%、女性3.33%であったことを考えれば、その割合は非常に大きくなっていることからうかがえます。
お金の使い道を、ある程度じぶん1人の意思で決めることができる「おひとりさま」。
同年代の世帯持ちと比較すると生活の自由度も高い反面、貯蓄に関しても自分1人でプランニングしていく必要があります。
特にリタイヤ前のラストスパート時期である50代にもなれば、長い老後を見据えた資金計画への意識が高まる人もふえてくるでしょう。
そこで今回は、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーの私から50代のなかでも「おひとりさま」の貯蓄について、フォーカスしていきます。
「50代・おひとり様」の貯蓄事情
まず、「50代・おひとり様」のお金事情を見る前に、「全世代の貯蓄事情」を見ながら確認していきましょう。
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査 令和2年調査結果」([単身世帯調査]・[二人以上世帯調査])から抜粋していきます。
同調査の結果によると、世帯当たりの貯蓄額はそれぞれ以下の通りです。
単身世帯の金融資産保有額
- 平均値・・・653万円(二人以上世帯:1436万円)
- 中央値・・・50万円(二人以上世帯:650万円)
※金融資産を保有していない世帯を含む
単身世帯と二人以上世帯では、平均値で約2倍、中央値で10倍以上もの差が出る結果となりました。