60代といえば還暦をむかえ、定年退職をして、第2の人生が始まるというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「定年後」「老後」という言葉についてプラスの印象を受ける方もいれば、不安しかないといったマイナスのイメージの方もいらっしゃると思います。
老後2000万円問題が叫ばれる中、この両者を分ける根底にあるのは、やはり「貯蓄の有る無し」にあるといっても言い過ぎではないでしょう。
今回は、そんな第2の人生の入口である60代世帯の貯蓄事情について見ていきたいと思います。
「病気や体力の衰えがあっても働き続けたい」?今どきシニアのお仕事事情
最近では、60代はまだまだ若く元気な方が多い印象です。実際にシニア世代からは「働ける間はできるだけ長く働く!」と頼もしい声も聞かれます。
この実態について、日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」を紐解いていきます。
60代の働くシニアは「平均労働時間6.8時間・平均労働日数は週4.5日」と、現役世代と変わらぬ働きぶりです。となると、気になるのが1ヶ月の収入です。
■60歳以上の1ヶ月の平均賃金(正規雇用・非正規雇用含む)
- 5万円未満…4.3%
- 5~10万円未満…20.0%
- 10~15万円未満…15.8%
- 15~20万円未満…19.3%
- 20~25万円未満…20.5%
- 25~30万円未満…7.8%
- 30~50万円未満…8.8%
- 50万円以上…3.8%
全体の平均は18.9万円となっていますが、雇用形態別にみると正規雇用者は平均33.1万円、正規以外の雇用形態では平均13.0万円でした。雇用形態の違いが大きく出ていると考えられます。
また60歳以降も働くシニアにおいて、「働き方満足度」は70.3%と高い一方で、「賃金満足度」は44.0%に留まっているます。
それでは、60代シニアの働く目的とは何でしょうか?
働く目的については、「生活の糧を得るため」が77.0%と最も多くなりました。2位の「健康を維持するため」の46.2%に大きく差をつけています。
そして、働くシニアの方の場合、「病気や体力の衰えがあっても、働けるうちは継続して働き続けたい」と答えた方が回答者全体の74.2%もいて、どの職種でも半数以上が継続して働きたいと答えています