国税局が公表する「令和元年分 民間給与実態統計調査(令和元年度)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者(約5255万人)の平均年収は436万円。そのうち年収1000万円を超える人はわずか5%です。
稼ぎが多ければ、暮らしにもゆとりが生まれ、その先には「しっかり貯蓄も増えていきそう」といったイメージもありますね。では、実際のところはいかに……。
今日は、年収1000万円超の世帯の貯蓄事情を俯瞰していきます。
「年収1000万円台世帯」のお金事情
総務省統計局が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)(二人以上の世帯)」(第8-2表)から、年収1000万円台世帯(勤労世帯)の貯蓄事情をみていきましょう。
「年収1000万円~1250万円」世帯の貯蓄額
「年収1000万円~1250万円」世帯 家族のすがた
- 世帯主の平均年齢…49.4歳
- 世帯主の配偶者のうち女の有業率…69.6%
- 18歳未満人員…1.01人
平均貯蓄額:1945万円
- 通貨性預貯金:666万円
- 定期性預貯金:527万円
- 生命保険など:420万円
- 有価証券:227万円
- 金融機関外:105万円
「年収1250万円~1500万円」世帯の貯蓄額
「年収1000万円~1250万円」世帯 家族のすがた
- 世帯主の平均年齢…50.2歳
- 世帯主の配偶者のうち女の有業率…75.7%
- 18歳未満人員…0.89人
平均貯蓄額:2282万円
- 通貨性預貯金:813万円
- 定期性預貯金:644万円
- 生命保険など:377万円
- 有価証券:322万円
- 金融機関外:127万円
「年収1500万円以上」世帯の貯蓄額
「年収1500万円以上」世帯 家族のすがた
- 世帯主の平均年齢…51.3歳
- 世帯主の配偶者のうち女の有業率…68.5%
- 18歳未満人員…0.95人
平均貯蓄額:3739万円
- 通貨性預貯金:1105万円
- 定期性預貯金:791万円
- 生命保険:719万円
- 有価証券:932万円
- 金融機関外:193万円
年収1000万円台世帯には、預貯金を中心に平均2000万~3000万円ほどの貯蓄があります。なお、「世帯主の配偶者のうち女の有業率」、つまり共働き世帯が7割程度と高めです。
世帯主一人では難しくとも、共働きで「年収1000万円」を達成している世帯が多いことが推測されます。