みなし残業代以上の長時間残業

正確な残業時間を把握できない場合に、みなし残業としてあらかじめ残業時間を見込んだ報酬を支払うという仕組みがあります。

残業代が含まれた額がもらえるというのは、一見、悪いものではないように感じますが、働き手にとって不利な状況に陥る場合があるようです。IT企業で働く30代のDさんは、みなし残業があることでかえって長時間残業させられていると言います。

「うちの会社はみなし残業代として30時間分が支払われることになっている。みなし残業と言う言葉でごまかされてしまっているけれど、残業はとても30時間では収まらない。でも、それ以上の残業代を請求できる空気でもないから、残業時間は調整して申請する。いまだにIT企業とは思えない手書きの勤怠カードなので、いくらでも調整できる」と嘆いていました。

おわりに

残業時間を調整したり、サービス残業を強要されたり、トイレに行くにも上司へ知らせる必要があったりと、ブラック企業かもと思う理由はさまざまでした。こうした体質の企業がなくなるのが一番ですが、現実はなかなかそうはいきません。「ブラック企業かも」と思うようになったら、いつでも転職できるように準備を始めたいものです。

参考資料

ブラック企業に関するアンケート調査(日本労働調査組合)

大塚 ちえ