国税庁の「令和元年(2019年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は436万円です。

男女別で平均給与をみると、男性540万円、女性296万円。男性の平均給与をふまえると、年収600万円以上となってくれば、ゆとりある生活を過ごせそうな気がします。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか。子供の教育費や、住宅ローンの支払いがある場合など、状況は全く違うかもしれません。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまからお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は年収600万円世帯の貯蓄事情を紐解いていきたいと思います。

年収600万円世帯の「手取り額」

まずは、年収と手取り額の違いからおさらいしておきましょう。

年収(額面):年間の総支給金額のこと。所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれる前の金額です。一般的に給与明細で「総支給金額」に記載されています。

手取り額:実際に自分が受け取れる金額のこと。所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれたあとの金額です。一般的に給与明細で「差引支給額」に記載されています。

基本的に支給されるのが「基本給+各種手当」、差し引かれる(控除)されるのが「社会保険料+所得税+住民税」などです。

各種手当は時間外手当や資格手当など、会社によってさまざま。また控除される金額でみると、住民税は住んでいる地域により異なります。

一概に手取りはいくらとは言えずに個人差がありますが、手取りは総支給金額の75~85%程度になることが多いようです。これをふまえると、年収600万円の手取り額は以下となります。

年収600万円「手取り額ってどのくらい?」

  • 600万円×0.75=450万円
  • 600万円×0.85=510万円

年収600万円の手取りは個人差がありますが、およそ450~510万円程度となるでしょう。