新車販売における電気自動車シェア増は普及施策にあり?

一方、「新車の販売状況」を見ると、どのような状況でしょうか。一般社団法人日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」の最新のデータをもとに確認しました。

<燃焼別販売台数(乗用車) 2021年7月>

  • ガソリン車:10万4807台(49.3%)
  • HV(ハイブリッド車):9万4286台(44.3%)
  • ディーゼル:9709台(4.6%)
  • PHV(プラグインハイブリッド):1743台(0.8%)
  • EV(電気自動車):1926台(0.9%)
  • FCV(燃料電池自動車):210台(0.1%)
  • その他(LPG車など):26台(0.0%)

上記のうち、「電気自動車」と呼ばれるのはFV・PHV・EV・FCVの4種類です。これらのシェアを足し合わせると「46.1%」まで到達しています。新車販売においては電気自動車の重要性は高まってきているのです。新車販売における電気自動車のシェア拡大は、行政による導入補助金や税制面の優遇措置の影響が大きいと考えられます。

経済産業省「EV・PHVプラットフォーム」でも、これらの優遇措置についても一応の情報提供はされています。しかし、2021年8月28日現在、導入補助金は3種類あり、「どれか1つ」を選んで申請しないといけない仕組みです。

  • 「令和2年度第3次補正」(経産省補助)
  • 「令和2年度第3次補正」(環境省補助)
  • 令和3年度CEV補助金

つまり、どの補助金がそもそも適用されるのか、そして、最も有利な補助金額になるのかを購入者自身が比較検討して、決めないといけない仕組みということです。その中で敢えて「補助金上限額」を示すとするならば、FCV(燃料電池自動車)車両の場合が最も補助金の額が高いので、こちらを例にとって示します。

<FCV(燃料電池自動車)車両の場合の補助金上限額>

  • 「令和2年度第3次補正」(経産省補助):250万円
  • 「令和2年度第3次補正」(環境省補助):250万円
  • 令和3年度CEV補助金:225万円

しかし、FCV車であるトヨタ「MIRAI(ミライ)」の相場は新車で710~860万円(2021年8月28日時点)と非常に高価です。補助金があっても単純計算で価格は500~600万円ほどになるので、おいそれと手が出せないでしょう。

一方、税制面の優遇は導入補助金よりはわかりやすくなっており、電気自動車を含む次世代自動車は自動車重量税・取得税が3年間「免税」となります。