「お金に働いてもらう」という選択肢も
70代の貯蓄額と年金、また老後の生活費用をみてきましたが、老後の不安は拭えないものですよね。もちろん、貯蓄や年金以外に「働ける間は働いて収入を得る」のも有効です。定年を迎えた後でも働ける間は働いて収入を得て貯蓄を続けるという声は、筆者の周りでも聞こえます。
同時に考えたいのが、お金に働いてもらうということです。金融庁の「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)によると、アメリカでは現役時代から預金のほかに「退職口座(IRA、401(k)等)、投資信託、株式」などを中心として資産形成を行った結果、20年間で金融資産が8倍強に増加しています。
一方で日本は預貯金の割合が大きいので、20年間経っても増えた資産は2倍程度。同じ20年という月日でも、どの金融商品を保有するかで約4倍の違いが出るのですね。
どの金融商品にどれだけ資産運用を行うかは、自分で選ぶものなので必ずしも同じように資産が増えるとは言えません。ただこの統計を見ると、「お金に働いてもらう」のも一つの大切な手段と言えそうです。
選択肢は多ければ多いほど老後の安心感も増えるので、資産運用という方法も考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」
- 厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融審議会「『市場ワーキング・グループ』(第21回)厚生労働省提出資料」
- 公益財団法人生命保険文化センター「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?」
- 金融庁「人生100年時代における資産形成」
宮野 茉莉子