株式市場の振り返り-閑散相場の中、日経平均株価は配当落ちを吸収できず小幅下落

2016年12月28日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 19,401円(▲1円、▲0.01%) 小幅反落
  • TOPIX 1,536.8(+0.5、+0.04%)  5日ぶり小幅反発
  • 東証マザーズ総合指数 938.5(+11.3、+1.2%)  3日続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,411、値下がり銘柄数:474、変わらず:109
  • 値上がり業種数:21、値下がり業種数:12

東証1部の出来高は13億1,143万株、売買代金は1兆5,591億円(概算)となり、いずれも前日より大幅減少となりました。売買高、売買代金ともに今年最低となっています。年末特有の薄商いだから仕方ないとも言えますが、3日連続の2兆円割れはやや厳しいと言えましょう。

そのような中、日経平均株価はわずかに下落し、逆に、TOPIXはわずかに上昇しました。値上がり銘柄数が全体の70%以上だったにも拘らず、株価指数に大きな動きが出なかったこと自体に、閑散相場が反映されています。なお、28日は配当落ちの日でしたが、この影響が日経平均株価で約▲27円程度と推測されています。

2016年の取引もいよいよ残り2日間ですが、最後に“掉尾の一振”があるかどうかが注目です。

東証マザーズ総合指数は3日続伸、900ポイント割れの危機は遠のいた印象

東証マザーズの出来高は5,582万株、売買代金873億円となり、概ね前日並みとなりました。今年最後の週を迎えても、新興市場では個人投資家のリスクオンモードはまだ遠いようです。

確かに、総合指数は3日続伸となったものの、力強さに欠けています。早期に新興市場を盛り上げる物色テーマの登場が待たれますが、年明けに期待するしかないでしょう。

東芝がストップ安の一方、東京エレクトロンは11連騰で連日の高値更新

個別銘柄では、全体的に値動きが静かだった中、原発事業の巨額損失計上の可能性を公表した東芝(6502)がストップ安まで売り込まれ、ファーストリテイリング(9983)も下落しました。

また、配当落ちの影響が大きく出た12月決算銘柄が多く、キャノン(7751)、ブリヂストン(5108)、JT(2914)などが軒並み大幅下落となっています。

一方、アドバンテスト(6857)と東京エレクトロン(8035)の半導体製造装置メーカーが連日で年初来高値を更新しました。特に、東京エレクトロンは怒涛の勢いで11連騰を記録しています。

また、ファナック(6954)とキーエンス(6861)のFA関連株が大きく値を上げました。

新興市場では、ブランジスタ(6176)が急騰し、ドリコム(3793)も大きく値を上げました。一方で、前日に急騰した串カツ田中(3547)は大幅反落となり、窪田製薬ホールディングス(4596)も冴えない値動きで引けています。

時価総額の大きい銘柄では、そーせいグループ(4565)、CYBERDYNE(7779)が値を上げました。

 

青山 諭志