高校で習っていた文法が中学で登場

中学英語の難化は英単語数だけに限りません。今回の新学習指導要領では文法でも大きな変化があります。

かつては中学2年生で習っていた過去進行形が1年生へと早まり、従来は高校で学んでいた仮定法や原型不定詞、現在完了進行形も中学英語として新たに加わりました。こうして覚えるべき文法が増えると各項目をじっくり教えることが難しくなり、それが新たな学力格差にもつながりかねません。

これまでも同様ではありますが、2、3回の説明で理解する子もいれば、何度も説明を聞いて問題を解いて理解するようになる子もいます。学習内容が厚みを増すことはメリット面ばかりではなく、「すぐに分かる生徒」と「どの文法も中途半端な理解にとどまる生徒」を生み出す可能性も秘めています。

学校外でも、公文や学研などお馴染みの学習教室に加えて、オンライン教室やタブレット端末での通信教材が登場し、小さいときから英語を学ぶ敷居はかなり低くなっています。そのため、家庭の方針で日頃から英語に親しみ、ある程度の土台ができている子と、そうではない子の差がつきやすいという懸念もあります。

小学校と中学校の英語の違いを理解する

小学5年生、6年生では単語の読み書きの実施は行わないとされていますが、他の教科と同様にカラーテスト版の英語のテストは行われています。