このように、たとえば非役職者と部長級では男女とも金額に2倍以上の差があり、役職の階段をのぼるにつれ給与も上がっていくことが示されています。では、役職を得た人はどんなスタンスで仕事に臨んだのでしょうか。以下、現役管理職が考える「キャリア形成に役立ったこと」を紹介していきます。

現場で得られる以上の専門知識を学んだ

上場企業で管理職をしているAさんは、専門知識を学ぶことが大事だと言います。

「自分は20代後半からマーケティングの仕事をしていて、専門知識は実地で身につくものだと思っていた。たしかに当時の会社ではそれでできることはたくさんあった。でも、それだけでは周りの人から抜け出して一段上に行くことができない。そのためにはちゃんと勉強しないと、と思った」と話します。

そこからAさんは、マーケティング関連の書籍を読み込み、専門知識だけでなく周辺知識として必要だと考えたデザインやウェブサイト構築の知識まで勉強したのだそうです。

「それまではないがしろにしてきたデザインやウェブ構築まで学んでみて、自分がどんなにウェブエンジニアに負担をかけてきたかもわかったし、デザイナーにどう言えばちゃんと伝わるかよく理解できた」と続けるAさん。

「専門ソフトを購入して自分で実際に手を動かしてみて、『これはデザインって大変だな』と思ったし、プログラミングにもいろんな気遣いが必要なことに気づいた。知識の上乗せができたこと以上に、専門職として働いている人たちの仕事の重みを理解できたことが管理職になって活きていると感じる」と話してくれました。

社会人になると仕事で精いっぱいで、意外と自分の仕事に関する専門知識の勉強が後回しになることもあるのではないでしょうか。しかし、そこで一念発起して学んでみることが次のキャリア形成へとつながるのでしょう。