マイナビが2021年3月4日に公表した「2022年卒公務員イメージ調査調査」によると、コロナをきっかけに2022年卒の就活生による公務員志望度が上昇に転じたとのことでした。志望理由は「安定している」との回答が一番の理由となっています。

そんな「安定」イメージの強い公務員ですが、老後資金の源泉となる退職金はどのくらいもらえるのでしょうか?

また公務員の退職金「会社員よりもオイシイ」は本当かを確認したいと思います。

大手都市銀行で17年間金融の最前線にたち、ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産運用等を携わってきた私から解説します。

公務員の平均退職金額はいくらか

まず公務員は「国家公務員」と「地方公務員」の大きく2つがあります。

  • 国家公務員:国家機関や行政執行法人で働く人

  例)省庁や裁判所などの職員等

  • 地方公務員:地方機関で働く人

  例)都道府県庁や市役所職員、消防官や警察官、公立学校の教員等

今回は国家公務員の退職金額を見ていきたいと思います。

内閣官房公表の「退職手当の支給状況(令和元年度退職者)」を見ていきましょう。

常勤職員

  • 定年:2090万6000円
  • 応募認定:2588万1000円
  • 自己都合:316万1000円
  • その他:201万6000円

平均支給額:1082万2000円

うち行政職俸給(一)適用者

  • 定年:2140万8000円
  • 応募認定:2278万円
  • 自己都合:362万7000円
  • その他:265万8000円

平均支給額:1548万円

ちなみに退職手当受給者の常勤職員3万2575人・うち行政職俸給表(一)適用者7113人に対し、2000万円以上受給者は以下の通りとなっております。

  • 常勤職員(2000万円以上):9705人
  • うち行政職俸給表(一)適用者(2000万円以上):4091人

「常勤職員」中の約3割と「うち行政職俸給表(一)適用者」の5割強が2000万円以上の退職金し、全体としては国家公務員の約34%、つまり3人に1人は2000万円以上の退職金を受給している試算になります。